大型水産見本市「シーフード・エキスポ・グローバル(SEG)2022」が3年ぶりの開催

(スペイン)

マドリード発、農林水産・食品事業推進課

2022年05月11日

4月26日から28日にかけて、スペイン・バルセロナで世界最大級の水産見本市「シーフード・エキスポ・グローバル(SEG)2022」が開催された。

同展示会は、従来はベルギー・ブリュッセルで開催されていたが、今回からバルセロナに移転。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により2019年以来3年ぶりの開催ともなった。ゼロコロナ政策で入出国に厳しい制限を設けている中国や、ウクライナ侵攻によりロシアからの参加がなかったにもかかわらず、2019年度の同見本市に迫る来場規模となった(総来場者数2万6,000人超、出展企業数76カ国・1,550社)。主催者のDiversified Communicationsは、この博覧会がバルセロナ市にとって最大1億ユーロの経済効果を表すと推定している。

写真 SEGが開催されたバルセロナ見本市会場の正面入口(ジェトロ撮影)

SEGが開催されたバルセロナ見本市会場の正面入口(ジェトロ撮影)

出展企業には鮮魚、魚介類だけでなく寿司(すし)や加工食品を取り扱っている企業もあった。26日に行われた表彰式では、スペインの水産食品メーカーのペスカノバがSeafood Excellence Global賞を受賞した。同社はタンパク質ベースのパスタ「サーモンヌードル」で受賞し、その風味、食感、外観、パッケージデザインは大会の審査員から高く評価された。同社はイノベーション賞も受賞しており、その新規性も評価されている。

食材以外にも、包装技術を応用し、木材や紙繊維で代替することで、プラスチック素材の量を70~80%削減したトレーの紹介など、サステナビリティを意識した企業も注目を集めていた。

ジェトロが出展したジャパンパビリオンには、日本の水産関連企業や調味料、加工食品メーカーなど中小企業を中心に13社が参加した。出展企業からは、「既存顧客だけでなく、新規取引先の獲得のきっかけとなった」「バルセロナに移転し、現地レストランからの商談にもつながった」など手応えの声が聞かれた。

写真 和を基調としたジャパンパビリオンの外観(ジェトロ撮影)

和を基調としたジャパンパビリオンの外観(ジェトロ撮影)

写真 ノルウェー企業の出品棚に陳列される寿司、おにぎりなどの食品(ジェトロ撮影)

ノルウェー企業の出品棚に陳列される寿司、おにぎりなどの食品(ジェトロ撮影)

次回は2023年4月25~27日にバルセロナで開催の予定。

(小池裕之、水谷奈津)

(スペイン)

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