パーム油禁輸措置撤廃も、国内供給義務を再導入

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年05月24日

インドネシア政府は5月23日、商業大臣規定2022年第30号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、即日施行した。4月末より導入していたパーム油原油(CPO)や、RBDパーム油、RBDパームオレイン(注1)、使用済み食用油の国外への輸出禁止措置を解除した。一方、輸出再開の条件として、輸出業者に対し、海外への輸出量のうち一定量を国内に販売する義務(国内販売義務、DMO)を課した。

同国では、食用油として広く利用されているパーム油の価格高騰や品薄の状態が続き、政府がパーム油の輸出禁止措置に踏み切っていた(2022年4月28日記事参照)。当初は、輸出禁止措置につき、量り売りパーム油の国内価格が1リットル当たり1万4,000ルピア(約123円、1ルピア=約0.0088円)に下がるまでの時限的措置としていたが、1カ月近く経過しても目標の価格には下がらず(注2)、パーム農家が輸出禁止措置の解除を求め、デモを行う状況に発展していた(「ビスニス」5月18日)。ジョコ・ウィドド大統領は、「4月の量り売りパーム油につき、供給量が約21万トンに対し、需要量は約19万トンだった」と、輸出再開の理由として供給の安定化を挙げた(インドネシア大統領府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

今後、輸出業者はCPOなどを、固定価格(国内供給価格、DPO)で、輸出量のうち一定量を国内に供給することを条件に、商業省より輸出許可を得ることができる(インドネシア商業省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の商業大臣規定では、固定価格や数量につき具体的に言及されておらず、詳細を待つ必要がある。なお、DMOは以前にも導入されていたが、3月に撤廃されていた(2022年4月27日記事参照)。

インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のビマ・ユディスティラ所長は、「食用油の国内価格は依然として高価であり、政府による輸出禁止措置は完全な誤りだった」との見解を示した。また、「禁輸が同国に与えた損失は約6兆ルピア」とも指摘した(「リプタン6」5月20日)。

(注1)RBDパーム油は、CPOを脱酸、脱色、脱臭加工したパーム油。RBDパーム油からオレイン酸を抽出したものが、RBDパームオレインとなる。

(注2)インドネシア商業省の市場モニタリングシステム(SP2KP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、5月23日時点での国内平均価格は1万6,900ルピアとなっている。

(上野渉)

(インドネシア)

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