米カリフォルニア州、水素ハブ創出に向け事業者からの情報提供を依頼

(米国)

ロサンゼルス発

2022年05月25日

米国カリフォルニア州は5月18日、再生水素をコアとする水素産業の集積(以下、水素ハブ)創出に向け、事業者からの関連情報の提供依頼を開始した。同州経済促進知事室(Governor's office of Business and Economic Development、GO-Biz)のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにて受け付けている。同室のプレスリリースによると、カリフォルニア州の水素経済に貢献できるプロジェクトやサービスを有している利害関係者から情報を収集することを目的としているという。なお、同州では、温室効果ガスの削減や気候変動の緩和に向けた目標達成の手段として、水素の活用を推進することを主眼とした、「クリーン水素法案」と呼ばれる法案(SB1075)が州上院議会で審議中であり、州政府は、成立すれば連邦政府から資金を受け入れるための基金を設立する予定だ。

米国では、2021年11月に連邦議会が超党派で成立させたインフラ投資雇用法(H.R.3684、2021年11月9日記事参照)に基づき、クリーンな水素の生産や加工、配送、貯蔵、そして採集量を改善するため、最低4カ所で地域的クリーン水素ハブの開発を支援するとしており、連邦エネルギー省が2022~2026年の5年にかけて80億ドルの予算を投入する見込みとなっている。エネルギー省によると、同省への提案書の受付開始は2022年の夏を予定している。

米国では、最も利用が進むカリフォルニア州のみならず、多くの州が水素ハブの創出を進めており、複数州による連携も急速に広がっている。各州の連携状況は次のとおり。

  1. 東部:ニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州、マサチューセッツ州が参加。
  2. 西部:コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州、ワイオミング州が参加。
  3. 南部:ルイジアナ州、オクラホマ州、アーカンソー州が参加。
  4. 単独での取り組み:カリフォルニア州、ワシントン州、アリゾナ州、ノースダコタ州、ケンタッキー州、ネブラスカ州、イリノイ州、ペンシルベニア州、ウェストバージニア州、オハイオ州などが実施中。

2021年12月に米国で設立され、ジェトロが運営に協力している日本水素フォーラムにおいても、米国の脱炭素化に日本が貢献する観点から、各水素ハブへの日本企業の参加を促すため、各水素ハブとの積極的な意見交換を進めている。

(佐伯徳彦)

(米国)

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