米ファイザー製の新型コロナ治療薬パクスロビド、医療保険の適用対象に

(中国)

北京発

2022年04月08日

中国国務院の新型コロナウイルス防疫メカニズムの4月6日の発表によると、3月1日から4月5日までに中国本土の同ウイルス累計新規感染者数は17万6,455人を超え、上海市や吉林省をはじめとする29の省・直轄市・自治区で新規感染者が確認されている。

国内各地で感染再拡大が見られる中、中国政府は2022年2月に承認した米国ファイザー製の治療薬「パクスロビド」について、3月17日から約2万箱を輸入し、吉林省、上海市、広東省、福建省、江西省、山東省、浙江省、広西チワン族自治区の少なくとも全国8省・直轄市・自治区の医療現場に配布した(「第一財経」3月27日)。

同治療薬は、重症化リスクが高い患者(18歳以上の成人に限定)に早期に投与すれば、症状の悪化を防ぐ効果があるとされ、国家衛生健康委員会が3月15日に発表した「新型コロナウイルス肺炎診療方案(試行第9版)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で医療保険の適用対象となった。

各地で局所的に感染再拡大が見られる中、「パクスロビド」の供給不足を懸念する声も上がり始めた。同治療薬に関する販売計画はなお不明だが、国内の防疫専門家は「ファイザー製の治療薬をより多くの臨床現場に投与するとしたら、供給が需要に追いつかない課題に直面することになる」との見方を示している(「第一財経」3月27日)。

中国産mRNAワクチンは中国で臨床試験段階に

国産の新型コロナワクチンについては、4月3日以降、石薬集団(CSPC)が申請したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が申請したmRNAワクチン、中国医薬集団(シノファーム)中国生物技術が申請した第2世代の組換えタンパクワクチンが相次いで、国家薬品監督管理局から臨床試験の実施を承認されている。

(趙薇)

(中国)

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