政府、農業系エコシステム情報のポータルサイト「アグリ・ハブ・ブラジル」を公開

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月01日

ブラジル農業・畜産・供給省は3月23日、公式プレスリリースを通じて、農業系のスタートアップ企業やイノベーションハブなど、農業分野の技術革新に関する情報を集約したポータルサイト「アグリ・ハブ・ブラジル」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開したと発表した。

同ポータルサイトでは、ブラジル研究・産業イノベーション公社(EMBRAPII)など政府関係機関によるスタートアップ企業向けの融資制度の紹介、アグリテック分野のスタートアップ企業の検索データベースである「ハダール・アグテック」(2021年6月14日記事参照)、国内に複数カ所所在する農業系のインキュベーションセンターやアクセラレーターの情報、アグリテック分野に関連した国内のイベント情報、農業関連技術の研究・開発に携わる大学リストなどを整理して掲載している。

ブラジル農業・畜産・供給省は、「アグリ・ハブ・ブラジル」を通じて、農業生産者が国内農業に関する技術革新の動向を探しやすくし、アグリテック分野の起業家が投資家から資金調達しやすくすることに役立てたいと説明した。

また、同ポータルサイトの中では、2022年内にアグリテック分野のスタートアップ企業が農業生産者の課題解決に資するソリューションを提示する機能の実装計画についても紹介している。

これまで、アグリテック分野の情報は、官民を問わず組織や地域ごとに発信されており、情報の一元化が課題となっていた。今回、農業・畜産・供給省のサイトに情報を集約したことで、農業分野のエコシステム情報が整理される。

「アグリ・ハブ・ブラジル」に掲載されたイノベーションハブの1つで、大豆生産が盛んな南部パラナ州ロンドリーナ市の「コクリアアグロ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の運営に携わるジョージ・ヒライワ氏にジェトロがインタビューしたところ、「国内の農業分野のエコシステムはデジタル化で急速に発展、連携が進んでおり、日進月歩でスタートアップ企業による新技術が生まれている。これが農地の持続可能な生産性向上につながる」と述べている(注)。

(注)ヒライワ氏は、ロンドリーナ市の農業系エコシステムの構築・発展・連携に携わるアグロバレー・ロンドリーナにも所属。同氏へのインタビュー日は3月25日。

(古木勇生)

(ブラジル)

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