中銀、輸入のキャッシュ・マージン要求を拡大

(パキスタン)

カラチ発

2022年04月15日

パキスタン中央銀行(SBP)は4月7日、信用状(L/C)開設の際の「キャッシュ・マージン要求(CMR)」拡大を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、新たな対象177品目のリストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開した。2022年12月31日までの措置。既に対象となっている525品目と合わせて、合計で702品目が対象となった。輸入を抑制し、貿易赤字拡大による外貨準備の減少に歯止めをかける狙い。鉄鋼製品や繊維機械なども含まれるため、日系企業にも影響は少なくないとみられる。

CMRとは、輸入者がL/Cを開設するなどの際に、ドルなど決済予定額相当のルピー現金を輸入者の銀行に預け入れる制度。輸入者は決済まで預け入れた現金を動かせないので、CMRは輸入者のキャッシュフローを圧迫する。

CMRは、2017年に初めて導入され(BPRD Circular No. 02 of 2017外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、2018年に品目が拡大された(BPRD Circular No. 05 of 2018外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。「新型コロナ禍」で対象品目が削減されたこともあったが、2021年9月にも114品目が追加され、525品目となっていた(ERD/M&PRD/PR/01/2021-106PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

SBPの外貨準備高は、113億1,900万ドル(2022年4月1日)で、直近のピークである201億4,500万ドル(2021年8月21日)から急減している。外貨準備は、一般的に輸入の3カ月分が必要といわれるが、現在は2カ月分を割り込んだ状態になっている。

(山口和紀)

(パキスタン)

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