大卒者の失業率は学士号のない労働者よりも低い傾向、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年04月14日

米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは4月12日、米国の大卒者と労働市場の関連性などに関する「米国における大卒者と労働市場の関連性などに関する調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注)を発表した。

それによると、大卒者の失業率は学士号のない労働者よりも低い傾向にある。米国で新型コロナウイルス感染拡大が始まる直前の2020年2月に、25歳以上の大卒者の失業率は1.9%。大学を卒業したが4年制の学位を取得していない労働者では3.1%、高卒では3.7%と、大卒者より高かった。パンデミック発生後の2020年6月までに、大卒者の失業率は6.8%、大卒未満では10.8%、高卒では12.2%と、ギャップは拡大した。

大卒者の失業率は2022年3月までにパンデミック前のレベル(2%)に戻ったが、大卒未満では3%、高卒では4%に低下している。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)による国勢調査局と労働省のデータ分析によると、最近の大卒者は全体的にパートタイマーの可能性が高く、通常は大学の学位を必要としない仕事に就いている。2021年12月の時点で22〜27歳の大卒者の41%、大卒者全体の34%がパートタイマーだった。同年末時点で22〜27歳の大卒者のパートタイマーの34%が、FRBが「大卒の資格を必要としない良い仕事(年間所得4万5,000ドル以上)」と定義する仕事に就いていた。「低賃金の仕事(年間2万5,000ドル未満の収入)」に就く22~27歳の大卒者の割合は、1990年の約9%から2021年は11%に上昇した。

男性より女性が学士号取得する傾向に

25歳以上の米国人の4割近くが学士号を取得している。そのシェアは2011年の30.4%から2021年には37.9%に上昇した。

また、2021年には、25歳以上の女性の39%が学士号以上の教育を受けていたのに対し、同じ年齢層の男性は37%と、女性が学士号を取得する傾向が高い。25〜34歳に限れば、さらに女性が学士号を取得する傾向が高く、この年齢層の女性の46%、男性では36%とギャップが広がった。

(注)全米1万人以上の成人を対象としたパネル調査。

(松岡智恵子)

(米国)

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