ジャカルタ・ジャパン・クラブが日系企業の脱炭素化対応を支援

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年04月12日

インドネシアにおける日系商工会議所であるジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)は4月6日、インドネシアのカーボンニュートラル実現に対する日系企業の貢献を支援するため、「カーボンニュートラル・タスクフォース」(以下、タスクフォース)の設置を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

インドネシアは、2030年までに国際支援なしで29%、国際支援ありで41%の温室効果ガス削減を目指している。2021年7月には、「低炭素および気候レジリエンスに向けたインドネシア長期戦略2050PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表し、2060年までにカーボンニュートラルを達成することを表明した。しかし、今後の経済成長に伴うエネルギー需要の増大が見込まれ、エネルギー供給に占める石炭・天然ガスをはじめとする化石燃料への依存度が引き続き高く、カーボンニュートラルの達成には多くの課題が存在する。

日本政府は2021年5月、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを経済産業省が提唱するなど、インドネシアを含むASEAN各国の脱炭素化に対する支援を進めている。また、インドネシア政府も、カーボンニュートラル達成のために、例えば、石炭火力発電所に対する炭素税導入などの取り組みを進めている。タスクフォースでは、カーボンニュートラル分野での日系企業の投資促進のため、日本政府およびインドネシア政府の政策に関する情報共有を進めるとしている。

JJCによれば、これまで日系企業はインドネシアにおいて、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)、自動車の電動化などに向けた幅広い取り組みを進めており、日系企業に対するインドネシア側の期待は大きい。タスクフォースでは、JJC会員企業のインドネシアでの取り組みや、ネットゼロ実現に向けたインドネシア政府に対する政策提言を日本政府や関係機関と連携しつつ行う方針だ。

世界的な脱炭素化への関心の高まりを受け、インドネシアが議長国を務める2022年のG20や、2023年のASEANにおいて、脱炭素化が最重要課題の1つとなることが予想される中、JJCは日系企業の取り組みをとりまとめ、オールジャパンの貢献としてインドネシアに対するアピールを強化していくとしている。

(松田明恭)

(インドネシア)

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