米雑誌、HEVとEVの2022年最優秀賞を発表、トヨタ系列が3車種で受賞

(米国、日本)

米州課

2022年04月26日

米国USニューズ&ワールド・レポート誌は4月22日、全82車種から2022年のハイブリッド車(HEV)および電気自動車(EV)の最優秀賞を発表した。同誌はHEVとEVを8つの部門に分け、各車種の販売開始価格や充電速度、燃費などに基づき総合的に判断している。

高級EV部門では、ルーシッド「エア」が選ばれた。同車は2021年10月に販売を開始。アリゾナ州のカサ・グランデ工場で生産され、LG化学製のリチウムイオン電池を搭載している。ルーシッドは、2016年10月にアティエバから社名を変更した、カリフォルニア州に本社を構える新興EVメーカーだ。

高級eSUV(電気自動車のスポーツ用多目的車モデル)部門では、テスラ「モデルY」が選ばれた。同車は2020年3月に販売開始となり、米テキサス州と中国・上海に加えて、2022年3月からドイツ・ベルリンでも生産されている。同車については、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が2022年2月に交差点の一時停止違反機能やシートベルト未装着時の警報音作動システムの不具合などを理由にリコールを発表しており、安全性が懸念されている一方、同社の売り上げは継続的に伸びており、今後もEV業界の発展を主導する存在だ。

EV部門では、起亜の「EV6」が選ばれた。同車は上海モーターショー2021に出展された後、韓国および欧州で販売され、2022年に入って1月に米国、2月にオーストラリアでも展開されている。また、高級プラグインHEV(PHEV)部門では、ボルボ「S60」が選ばれた。同車は2019年初頭に欧州で販売を開始したモデルで、現在は米サウスカロライナ州、マレーシア、中国・成都で生産されている中型セダンだ。さらにPHEV部門では、2021年9月から販売されているコンパクトクロスオーバーSUV、現代自動車の「ツーソン」が選ばれた。一度の充電による電気のみの航続距離は53.1キロとなっている。

HEV部門では「プリウス」、ハイブリッドSUV部門では「RAV4」、高級HEV部門では「レクサスES」が選ばれ、トヨタ系列の車種が占めた。「RAV4」は2022年3月の米新車販売台数において、シボレーの「シルバラード」、フォードの「Fシリーズ」、ステランティスの「RAM」(2021年モデル)に次ぐ4番目に人気の車種で、「レクサスES」は愛知県の堤工場と福岡県の宮田工場だけでなく、米ケンタッキー州やインド・バンガロールでも生産されている。

(片岡一生)

(米国、日本)

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