中国の中糧集団、サンパウロ主要港の穀物向けターミナル案件を落札

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2022年04月18日

ブラジルのサントス港湾局(SPA)は3月30日、サンパウロ州の主要港であるサントス港の穀物向けターミナル(STS11、注1)の25年賃貸契約に関する入札について、中国の穀物・食品大手の中糧集団(COFCO)が落札したと公式ウェブサイトで発表した。STS11は、砂糖や大豆、トウモロコシなどの出荷や保管のための利用が想定されている。COFCOは3月30日、2026年に同ターミナルの運用開始を目指すと公式に発表した。今回の入札はインフラ省の投資パートナーシップ(PPI、注2)に関する入札の一環。

SPAによると、COFCOは1,000万レアル(約2億7,000万円、1レアル=約27円)で落札した。SPAの3月30日付公式発表によると、COFCOの投資額は7億6,480万レアルが見込まれている。また、この投資により、岸壁の強化やしゅんせつ、船積み設備の増設、サイロや倉庫の整備などが行われ、年間1,430万トン程度の穀物取り扱いが可能なターミナル開発が実現するという。

SPAのブルーノ・ストゥペロ ビジネス開発・規制部長は「COFCOのようなグローバル企業がターミナル開発を担うことで(ターミナルの)資産価値が上がり、十分に活用されていなかったターミナルを最適化することになる」と評価している。

(注1)STS11は、サントス市の旧市街の東に位置するパケター地区にある。

(注2)ブラジル政府が国内のインフラ整備に外資系企業も含む民間企業の参入を促すための制度。STS11の入札結果は4月6日更新して公開されている。サンパウロ港湾局(SPA)はSTS11を含めてこれまでにサントス港の6カ所のターミナルに関する入札を実施している。2022年末までにさらに5カ所の入札を予定している。

(古木勇生)

(ブラジル、中国)

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