ジョージア州サバンナ港の貨物取扱量は前年同月比18%増、拡張プロジェクトを前倒しへ

(米国)

アトランタ発

2022年04月08日

米国ジョージア州港湾局の発表によれば、サバンナ港の2022年2月のコンテナ取扱量は前年同月比17.8%増の46万413TEU(20フィートコンテナ単位換算)となり、2020年8月以降19カ月連続で前年同月の数値を上回った。

単一ターミナルとしては全米最大、コンテナ貨物に特化したガーデン・シティ・ターミナルを持つサバンナ港(注1)は、全米4位のコンテナ港で、アジアからの貨物のシェアが約8割と高いのが特徴だ。米国西海岸の港湾での物流停滞の影響は東海岸にも及んでいるが、サバンナ港では24時間体制で荷役作業を行うとともに、ターミナルのスペース確保のために新たなコンテナ保管場所を開設するなどして混雑解消に取り組み、需要の増加に対応している。

2021年のコンテナ取扱量は前年比2割増、過去最高となる約561万TEUを記録し、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事は「州経済を後押しするだけでなく、サプライチェーン危機を解決するうえで国の模範となっている」とたたえていた。

貨物量の継続的な増加を踏まえ、サバンナ港では、水深の深化やクレーンの増強など取扱量拡大に向けたインフラ整備が進められている。2022年3月25日には、2015年に着工した増深工事が完了し、水路水深が42フィート(約13メートル)から47フィート(いずれも干潮時平均)に増深され、満潮時には54フィートに達するようになった。水深が深くなることで、大型船舶の寄港による輸送の効率化が期待される。

さらに、ジョージア州港湾局理事会は3月29日、数年先と想定していた5億3,800万ドル(注2)を投じての港湾拡張プロジェクトの前倒しを決定した。グリフ・リンチ・ジョージア州港湾局長は「サバンナ港の航路増深が完了したことで、大型船をより容易に収容できる水深が確保された」とし、「このプロジェクトは、港の拡張を補完し、より大量のコンテナを取り扱うために必要な陸上能力を備えるものだ」と説明している。コンテナ倉庫、トラックゲートの建設やタイヤ式ガントリークレーンの追加などにより、現在の年間600万TEUのサバンナ港のキャパシティーを、2025年までに950万TEUに引き上げる予定だ。

(注1)サバンナ港は、ガーデン・シティ・ターミナルと自動車などを扱うオーシャン・ターミナルで構成されている。

(注2)サバンナ港と主要な自動車輸出入港のブランズウィック港に対する投資額を合わせたもの。

(高橋卓也)

(米国)

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