3月は自動車の生産販売とも前年同月比減、新エネ車は好調維持

(中国)

上海発

2022年04月15日

中国自動車工業協会(CAAM)が4月11日に発表した3月の自動車販売台数は前年同月比11.7%減の223万4,000台、生産台数は同9.1%減の224万1,000台で、いずれも減少に転じた。

第1四半期(1~3月)の累計では、販売台数は前年同期比0.2%増の650万9,000台、生産台数は2.0%増の648万4,000台だった。

3月の販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比0.6%減の186万4,000台、商用車が43.5%減の37万台だった。新エネルギー車は2.1倍の48万4,000台で、新エネルギー車の販売台数が自動車販売台数全体に占める割合は21.7%に達した。

3月の自動車市場についてCAAMは、国内で新型コロナウイルス感染が多発しており、市場プレーヤーがより困難な状況に直面していると述べた。また、自動車の供給面では、車載半導体不足の問題が解決していない上に、パワーバッテリー材料の価格も急速に上昇し、自動車生産・関連企業の製造コストや経営に一定の影響が出ていると指摘。消費面では、購買意欲が明らかに不足しており、前年同期比で一定幅の低下が見られると分析した。

また、第1四半期の自動車市場について、CAAMは、自動車の生産・販売台数は前年同期比で増加したが、勢いは明らかに鈍化したと指摘。他方、そういう状況下でも新エネルギー車市場は勢いを維持しており、生産・販売台数とも100万台を超えたと説明した。なお、新エネルギー車の販売台数が自動車販売台数全体に占める割合は第1四半期時点で19.3%に達したという。

CAAMは2022年通年の市場見通しについて、自動車業界が(1)需要減少、(2)供給サイドへの打撃、(3)見通しの悪化という3つの圧力に直面していると分析。政府に対して、自動車購入税の半額を免除する措置を含む販売促進政策を打ち出すことを提案した。

乗用車市場信息聯席会(CPCA)は4月11日、3月の全国乗用車市場分析を発表した。CPCAは足元の市場動向について、例年4月は市場への新車投入が盛んな時期だが、2022年は4月に予定されていた北京モーターショーが延期され、各社は新車投入のスケジュール感も調整を余儀なくされていると説明。4月初旬は新型コロナウイルスの国内症例が増加傾向にあるため、4月の乗用車販売台数は3月より大幅に減少すると見込んでいる。ただし、ガソリン価格高騰の影響を受け、新エネルギー車の購入にシフトすることが考えられるため、4月の新エネルギー車の販売は引き続き比較的力強い成長を維持するとの認識を示した。

(侯恩東)

(中国)

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