新内閣が発足、アシイ首相が再任

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年04月28日

コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は4月20日、新内閣を承認した。同国では13日にパトリック・アシイ首相が辞職した(注)が、19日に再任命されていた。大統領府が発表した閣僚名簿(添付資料表参照)によると、新内閣は、前内閣(閣議に参加しない閣外大臣および副大臣を含む)から9人減って32人の閣僚で構成される。このうち新任は2人となり、11人が退任した。女性閣僚は7人。野党からの入閣はなく、主要閣僚の多くが留任したため、新内閣発足に伴う政策的な変更は限定的とみられる。

主な閣僚人事および省庁再編については、中小企業省が商業・産業省に、水利省が排水路整備・衛生省に、デジタル経済省が広報省に統合されたほか、民間投資促進省が廃止された。鉱山・石油・エネルギー省と文化・仏語圏省は、新任閣僚に交代した。また、アフリカ統合担当副大臣のほか、社会住宅担当閣外大臣、行政近代化担当閣外大臣、海事担当閣外大臣、社会保障担当閣外大臣など、全ての閣外大臣および副大臣ポストが廃止された。

ワタラ大統領は今回の組閣人事で、特に国民の安全と福利厚生を優先しながら政策の継続性を重視するとともに、「新型コロナ禍」後の新たな時代、経済・社会情勢の変化の中で、迅速に意思決定を行うことのできるスリムで効率的な政府を目指す方針を明らかにしている。

なお、ワタラ大統領は4月19日、注目されていた副大統領のポストに、建設大臣、大統領特別顧問など官職や、西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)、IMF総務会メンバーなど国際金融機関で要職を歴任したエコノミストのティエモコ・コネBCEAO総裁を任命した。副大統領ポストは、2020年7月のダンカン前副大統領の辞職後、空席となっていた。

(注)辞職の理由は明らかにされていないが、一部の地元メディアは、ワタラ大統領が内閣改造を計画していたと報じている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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