大韓商工会議所、MZ世代が考える消費とESGを調査

(韓国)

ソウル発

2022年04月11日

韓国の大韓商工会議所は4月4日、「MZ世代」380人を対象に実施した「MZ世代が考えるESG経営と企業の役割」調査の結果を公表した。「MZ世代」とは、主に1980年代半ばから1990年代前半に生まれた「ミレニアル(M)世代」と、1990年代後半から2000年代前半の間に生まれた「Z世代」の2世代を示す。

MZ世代の購入・消費する際の判断基準については、「カシムビ(価心比)」(注1)が46.6%と最も高く、「ミーニングアウト」(注2)が28.7%、「トンチュル」(注3)が10.3%、「フレックス」(注4)が7.9%と続いた。ソウル市内の女子大生は「以前はブランドや価格が商品を選ぶ基準だったが、最近は自分が追求する価値観に合い、品質に満足できれば、迷わずに買い物かごに入れる」「MZ世代は社会に悪影響を及ぼす企業に対しては『不買運動』、社会にやさしい企業・店舗に対しては『トンチュル』という方法で、社会へのメッセージを送る」と話した。

「環境に優しい製品のうち、最も波及効果の大きいと考える品目」の設問に対しては、「ラベルレスのペットボトル」が41.1%と最も高く、「電気自動車・燃料電池車」36.3%、「リサイクルプラスチックで作られた衣服」13.7%、「環境に優しい洗剤」7.9%と続いた。高麗大学のイ・ジェヒョクESG(環境・社会・ガバナンス)研究センター長は「費用対効果より価格に対する心の満足度を求めるMZ世代が主な消費者層となったことで、似たような品質・性能の製品であれば、ESGに取り組んでいるか否かが購入の判断基準になるなど、自らの価値観に合わせた消費が拡大しつつある」と分析した。

「MZ世代が最高経営責任者(CEO)になったとしたら、経営の最優先目標に何を掲げるか」との設問に対しては、「企業の競争力向上」が82.1%と最も高く、「企業文化・従業員福祉の向上」61.1%、「ESG経営の実践」60.3%と続いた。また、ESGに積極的に取り組む企業として、サムスン(電気・電子など)、SK(石油精製・通信など)、オットゥギ(食品など)、柳韓キンバリー(生活用品など)、プルムウォン(食品など)、現代自動車(自動車など)が挙がった。

(注1)価格に対する心の満足度。

(注2)自分だけの意味や性向、または政治的・社会的な信念などを、消費行動を通じて積極的に表現すること。

(注3)環境にやさしい企業・店舗の製品という意味の韓国語の造語。

(注4)ブランド品を誇示するという意味の韓国語の造語。

(当間正明)

(韓国)

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