IMF、世界の財政見通しを発表、インフレ対応に懸念

(世界)

国際経済課

2022年04月21日

IMFは4月11日、「財政モニター」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。世界全体の2022年の財政赤字をGDP比4.9%とし、2020年水準(9.9%)、2021年水準(6.4%)から減少するとの見通しを示した。

財政の見通しは、国・地域グループで異なる。先進国・地域の2022年の財政赤字はGDP比4.3%と、税収の回復やパンデミック関連の財政措置の撤回を反映して、2021年水準(7.3%)から減少すると見通す。他方で、新興国・地域の2022年の同値は5.7%と、2021年水準(5.3%)から拡大する。中国では、新型コロナウイルス感染症例の再拡大とそれに伴うロックダウンが、生産と収益の回復に重くのしかかっていると指摘。中国の2022年の財政赤字はGDP比7.7%と2021年水準(6.0%)から拡大する。また、ロシアについては、ウクライナ侵攻と経済制裁により経済活動が抑制されることから、2022年の同値が4.0%と2021年の黒字(0.7%)から赤字に反転する。このほか、一次産品輸入国は、支出圧力の高まりにより財政が悪化に直面する可能性があると指摘する一方で、一次産品輸出国は、価格上昇に伴い、2021年の赤字から2022年は黒字に反転すると見通す。

最近の国際的なエネルギー・食糧価格の高騰に対しては、自国の消費者や企業への悪影響を軽減するため、多くの国が、現金給付を含む財政措置や減税措置をはじめとする迅速な対策を講じている。IMFは、これらの措置が「脆弱(ぜいじゃく)な世帯を保護し、社会的結束を維持する助けとなる」としながらも、国内価格の上昇を抑える措置は「世界的な需給の不均衡を悪化させて国際価格にさらなる上昇圧力をもたらし、エネルギーと食料の不足を招くことになりかねない」と指摘。より良い解決策として、「国内価格が安定するまでの間、脆弱な世帯を対象に的を絞った時限的かつ直接的な支援」を挙げた。

(朝倉啓介)

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