富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ、米アリゾナ州で半導体事業関連に拡張投資

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2022年04月04日

富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)は3月30日、米国アリゾナ州メサ市の既存工場の半導体製造関連プロセス事業を強化するため、8,800万ドルの拡張投資を行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

FFEMの発表によると、今回の投資により5つの新施設が設けられ、CMPスラリー(研磨材)や高純度溶剤の生産能力の増加に加え、商品開発や倉庫、品質管理ラボ施設を含む8万平方フィート(約7,440平方メートル)分の増設が計画されている。フェニックス・メサゲートウェイ空港のすぐ東にある既存工場では現在約400人を雇用しているが、今回の拡張投資に伴い、2024年末までの2年間で、化学、エンジニアリング、製造、倉庫保管、保守といった分野で120人の追加雇用を見込んでおり、製造能力は30%向上するという。

アリゾナ州都市部で半導体関連大型投資が活発

米国内の半導体製造強化の動きから、アリゾナ州では大手関連装置・材料メーカーによる大型投資が著しい。

半導体受託生産の世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は120億ドルを投資し、2021年6月からフェニックス市での新工場の建設を開始しており、2024年の稼働を予定している。またインテルは、200億ドルを投資し、チャンドラー市に新工場を2棟建設している(2021年9月30記事参照)。

日系企業では、JX金属が2022年3月10日、メサ市で半導体用スパッタリングターゲット事業の強化および新規事業のための投資を発表した。同社は、州内の現拠点の約6倍(約26万平方メートル)の土地をメサ市で取得し、2024年度以降の稼働をめどとして生産設備の新設を計画している。

既に大手メーカーが集まるアリゾナ州都市部では、半導体関連事業のみならず周辺産業でもビジネス機会が多く、世界から注目を集めている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国、日本)

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