VW、半導体などの分野でサンパウロ大学と共同研究へ

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月15日

フォルクスワーゲン(VW)ブラジル法人は3月23日、サンパウロ大学イノベーションセンターと連携し、半導体などの共同研究に向けた協力を行うとの覚書を締結したと同日付の公式サイトで発表した(注)。締結の目的は具体的には、半導体の製造やサプライチェーン、部品の構造の知見を共有すること。

同社公式サイトによると、VWブラジル法人は、世界的に半導体が不足する中、独自に半導体分野の研究を行う必要に迫られているという。サンパウロ大学側は、同社との協力で自動車業界の半導体の利用実態への理解を深め、この知見を教育界へ還元するという。

2月に公開されたブラジル自動車製造業者協会(ANFAVEA)の「ブラジル自動車産業2022年報」によると、同年のブラジルの自動車業界は世界的な半導体不足の影響を受けた。例えば、VWのほか、米国ゼネラルモーターズ(GM)やフランス・ルノーのブラジルの工場などが一時稼働停止に陥る事態となった。2021年の生産台数は224万8,253台で、半導体不足の影響等により、ANFAVEAが年初に予測した252万台を下回った。

(注)半導体のみならず、自動車用のソフトウエアやハードウエア開発、ガソリンとバイオエタノールを組み合わせで走行できる、いわゆるフレックス車の研究開発などもこの計画の対象になる。VWブラジル法人は2021年7月24日に、ブラジルを代表する州立大学のカンピーナス大学とバイオエタノールの共同研究計画も発表している。具体的には、電気自動車やハイブリット車の動力源としてバイオエタノールを活用するための共同研究。VWブラジル法人は2021年7月12日付の公式サイトでバイオ燃料の活用技術を開発するR&D(研究開発)センターをブラジル国内に設立することを発表しており(2021年7月21日記事参照)、カンピーナス大学との共同研究はこれに資するものと捉えている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

ビジネス短信 6b944dc8850cc065