新型コロナ対策の非常事態宣言の終了で進む規制緩和

(イタリア)

ミラノ発

2022年04月04日

イタリア政府は3月24日、新型コロナウイルス対策の新たな暫定措置令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。3月31日をもって非常事態宣言は終了し、4月1日から各種規制は緩和となった。「基本グリーンパス」と「スーパーグリーンパス」(注)の提示義務を大きく緩和し、感染リスクの度合いに応じた州・自治県の色分けも廃止した。詳しい内容は以下のとおり。

  • スーパーグリーンパスを必要としていたレストラン店内の飲食については、4月1日から基本グリーンパスの提示のみで可能となった。役所や郵便局、銀行などのサービス利用に当たっては、基本グリーンパスの所持を求めていたが、不要となった。職場へのアクセスについては引き続き、基本グリーンパスの所持を求める。
  • 全ての公共交通機関についてスーパーグリーンパスの提示を求めていたが、4月1日から緩和し、飛行機や長距離移動列車、フェリーなどでは基本グリーンパスの提示を求める。その他の公共交通機関では提示不要となった。一方、プールやスポーツ施設、屋内イベントなどでは、スーパーグリーンパスが引き続き必要。
  • 政府は2022年1月8日から6月15日まで、50歳以上にワクチン接種を義務付けている(2022年1月12日記事参照)。さらに、2月15日からは職場へのアクセスにスーパーグリーンパスが必要だったが、今回の暫定措置令では、職場へのアクセス要件を一部緩和し、4月1日から50歳以上も基本グリーンパス所持のみで職場勤務できるようになった。なお、医療関係者のワクチン接種義務(12月31日まで)は継続する。
  • マスク着用義務は4月30日まで継続する。公共交通機関や映画館、コンサート会場のような屋内施設では、引き続きFFP2マスク(防じん用マスクの一種)の着用を求める。なお、職場では引き続きFFP2以外のマスクも認める。

入国措置は4月30日まで延長

日本からイタリアに入国する際、3月31日まではワクチン接種証明、新型コロナウイルス感染からの回復証明、またはウイルス検査の陰性証明のいずれかを提示することにより自主隔離なしで入国可能としていたが(2022年3月1日記事参照)、3月30日付の保健省命令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、同措置を4月30日まで延長するとしている。

(注)「基本グリーンパス」とは、ワクチン接種、新型コロナウイルス感染からの回復、ウイルス検査による陰性証明のいずれかを指す。「スーパーグリーンパス」とは、これら3つのうち陰性証明を除いて、ワクチン接種および感染からの回復の証明のみを対象としている

(平川容子)

(イタリア)

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