ブラジルでメタバース普及の可能性高まる

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月21日

ブラジルの総合コンサルティング会社アクセンチュアのパウロ・オサム・テクノロジー担当理事(ラテンアメリカ担当)は4月6日、同日付現地紙「フォーリャ」のインタビュー(注1)で、メタバース(仮想現実空間)はブラジルで比較的迅速に普及する可能性があると予測した。

オサム氏によると、同社が実施した世界のテクノロジートレンドに関する最新の調査レポート「テクノロジービジョン2022PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(注2)によると、調査に回答した在ブラジル企業家の78%が「メタバースが自らのビジネスに好影響を与える」と答えている。世界の企業家を対象に同様の質問を行った結果では、71%が同様の回答をしており、在ブラジル企業家の回答率が上回った。ブラジルの割合が高いことについて「人口構成を欧米と比較して、若年層の割合が比較的高い」(注3)ことなどが要因として考えられるという。オサム氏は「ブラジルでは(メタバースに対して)企業家の高い期待がみられる。ゲームや教育、Eコマースなどのアプリケーションとしてメタバース向けの商品に投資しているベンチャーキャピタルも多い」と述べている。

2021年にはメタバースをビジネス領域と捉えるブラジル企業の動きも確認できた。例えば、国内有数の百貨店レナーの2021年6月29日付公式フェイスブック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同社は2021年6月にオンラインゲーム「フォートナイト」にバーチャル店舗を出店し、無料ミニゲームアプリの実装やQRコードを使って同社のアパレル商品を購入できるEコマースサイトに誘導している。また、大手銀行バンコ・ド・ブラジルの2021年12月10日付公式サイトによると、同社は2021年12月、オンラインゲームシリーズ「グランド・セフト・オート」に仮想店舗を出店した。投資シミュレーションなどを通して金融の知識やスキルを身につける教育プラットフォームを提供し、顧客と銀行の接点を現実世界の中のみならず、ゲームの中でも見いだそうとしている。

(注1)インタビューは「フォーリャ」紙と「ロイター」の協力で実施され、両メディアで報道された。

(注2)調査期間は2021年12月から2022年1月。35カ国の企業家や消費者を対象に実施された。

(注3)ブラジル地理統計院(IBGE)によると、現在公開されている最新の数値(2018年時点)として、ブラジルの15~29歳の若年層は総人口の約23%。2021年6月にブラジルのシンクタンクのジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)が発表したレポート「若者の人口推計」を見ると、2015年にはブラジルの15~29歳の若年層は総人口の約25%を占め、北米(約21%)や欧州(約18%)を上回っていた。ただ、同レポートによると、今後この若年層は次第に減少し、2060年までに欧州の数値(15.4%)に近づく可能性がある。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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