米テスラ、テキサス州でのEV「サイバートラック」の生産を2023年開始へ

(米国)

ヒューストン発

2022年04月13日

米国の電気自動車(EV)メーカーのテスラ(本社:テキサス州オースティン)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4月7日、ピックアップトラック型EV「サイバートラック」の製造をテキサス州オースティン市の工場「ギガテキサス」で2023年に開始すると発表した。同社が同日に開催した、招待客限定のオープニングセレモニー「サイバーロデオ」で言及した。

「サイバートラック」のコンセプトは、2019年に発表されていた。今回のセレモニーではファンの歓声に包まれる中、ステージ上に「ヨーク型」と呼ばれる航空機の操縦かんのようなステアリングハンドルや、当初よりも一般的な形のタイヤが取り付けられた最新のコンセプト車が登場した。同社は当初、「サイバートラック」の発売開始時期を2021年末としていたが、同年夏に2022年へ延期すると発表していた。

さらに、マスク氏は、サイバートラックの製造を開始する前に、ミッドサイズSUV(スポーツ用多目的車)「モデルY」の年間生産を50万台まで増やす考えを示した。また、詳細には触れなかったものの、同社が大規模なかたちでの「完全自動運転」(Full Self-Driving)に向かっているとの見通しを表明した。

テスラは2020年7月、「ギガテキサス」の建設を発表した(2020年7月28日記事参照)。2021年末には同工場での「モデルY」の製造が始まり、最終検査の後、顧客への出荷を始めるとしていた。2022年2月に、工場からの出荷が3月になるとメディアが報じたが、4月8日が公式出荷日となった。カリフォルニア州フレモントのEV工場が複数棟に分かれているのに対し、「ギガテキサス」は「国防総省(ペンタゴン)3棟分」(マスク氏)に相当する巨大な1つの建物からなる。1つの屋根の下に、搭載するバッテリーを組み込むラインを含め、全ての製造ラインがそろう。

(桜内政大)

(米国)

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