BMWが瀋陽大東工場をアップグレード

(中国)

大連発

2022年04月19日

ドイツ自動車大手BMWと中国の華晨汽車集団との合弁企業の華晨宝馬汽車(華晨BMW)は4月14日、瀋陽市内の大東工場のアップグレードが完了し、新型X5の生産を開始したと発表した。

今回のアップグレードは高効率化とグリーン、デジタル化に対応し、BMWのiFACTORY(注)生産ネットワークの基準に準拠したもので、エンジン車、ハイブリッド車、純電動車(BEV)のいずれの生産も可能となった。

今回の工場アップグレードは環境負荷の低減にも寄与する。同工場ではプレス工程で廃アルミニウム、くず鉄の分別回収と循環利用を可能にした。加えて、9本の鉄道専用線を増設、瀋陽市内2カ所のBMW生産拠点の8割近くの完成車について、輸送のほぼ全て、もしくは一部が鉄道輸送で実施され、従来のトレーラー輸送に比べて二酸化炭素の排出を大幅に削減できる。さらに、同工場内では太陽光発電システムにより、2022年内に21メガワット時を超える電力を生産できる見込みだ。

2010年以降の華晨BMWの総投資額は830億元(約1兆6,600億円、1元=約20円)となっており、R&D、調達、パワートレイン、完成車生産を一体化した生産システムが構築されている。

BMWによると、2022年夏ごろには瀋陽に3つ目の完成車工場が完工し、中国市場向け最初のBEVのBMW i3を生産予定だ。

(注)「BMW iFACTORY」とは、同集団が3月16日の2022年次財務報告会議で提出した生産ネットワークの新標準で、「リーン生産方式」(生産管理手法の1つ)、グリーン、デジタル化というBMWの生産戦略ビジョンを代表するもの。

(李穎)

(中国)

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