縫製業への投資が健在、今後は自動車産業への投資に期待

(カンボジア)

プノンペン発

2022年04月27日

ジェトロがカンボジア開発協議会(CDC)から2022年3月に入手した投資データ(注1)によると、2021年の外国企業によるカンボジアの対内直接投資額(認可ベース)は、前年比53.9%減の約18億6,100万ドルだった(添付資料表1参照)。このうち、経済特区(SEZ)内の投資額は大きく伸びた(3.6倍、約7億3,700万ドル)が、SEZ外の投資は70.1%減の約11億2,400万ドルだった。

国・地域別にみると、中国が約11億3,900万ドルで、投資額全体の61.2%を占めた(注2)。SEZ外での投資半減により、全体では前年比29.3%と落ち込んだが、中小規模の縫製業への投資や、自動車用のタイヤ製造など、SEZへの投資は3倍増となった。2位の英国領(バージン諸島、ケイマン諸島の両地域)も、89.0%減の約2億ドルとなった(シェア10.8%)。自転車や機械の組み立て、家具の製造、ホテルの拡張工事への投資がみられた。一方、3位の米国は、前年の約5倍となる約1億6,200万ドルで、全体の8.7%を占めた。米国からの投資のうち、自動車用のタイヤを製造する企業への投資額が8割以上を占めた。フォードによる組立工場への投資もみられ、今後のカンボジアの自動車産業の成長への期待が反映されたとみられる。日本は5位で、前年の8.6倍の約6,200万ドルだった。製造業での事業拡張投資およびイオンモールの拡張工事への投資だった。

業種別では、鉱工業が約17億3,700万ドルと全体の93.2%を占めた。特に、カンボジアの主要産業である縫製産業(注3)は全体の24.4%を占めた。

他方で、カンボジア企業による対内直接投資は、前年比40.8%減の約24億9,400万ドルだった。このうち、SEZ外への投資は74.3%減の11億9,288万ドルで、製紙事業への投資(約4億2,900万ドル)に加え、首都プノンペンとラオス国境をつなぐ送電線への投資(約3億3,000万ドル)、バッタンバン州とタイ国境を結ぶ送電線への投資(約1億1,100万ドル)が大半を占めた。その他、シアヌークビル州の石油火力発電所(約850万ドル)への投資もみられ、電力インフラへの投資が盛んだ。一方、SEZ内への投資は、前年の約39倍となる13億148万ドルで、シアヌークビル経済特区内の石炭火力発電所建設(約12億8,300万ドル)への投資が際立っている。

(注1)カンボジア開発評議会(CDC)のカンボジア投資委員会(CIB)が発表するSEZ以外への適格投資案件(QIP)取得企業および、CDCのカンボジア経済特別区委員会(CSEZB)が発表するSEZ内への投資案件(同様にQIP取得企業)が対象の統計を足し上げたもの。なお、QIP取得企業以外の統計は入手できない。

(注2)カンボジア資本を除いた外国投資額。2社による投資のうち、投資割合が不明なものは、投資件数・投資額ともに2で割り、それぞれの投資家の国籍に計上した。

(注3)衣服・繊維・履物産業を指す。

(井上良太)

(カンボジア)

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