新型コロナのエンデミックに向けた入国者への防疫措置を原則承認
(タイ)
バンコク発
2022年04月13日
タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は4月8日、国外からの入国者に対する5月以降の防疫措置案について原則承認した。この措置案には、タイ入国時に現在必要なPCR検査を抗原検査キット(ATK)による検査とすることなどを盛り込んでいる。正式な実施については、4月のソンクラン(旧正月の水かけ祭り休暇)後の状況をみて判断するとした。
背景には、タイ政府は7月1日以降、新型コロナウイルスをエンデミック(一定の周期で繰り返される流行)とする目標を掲げており、この目標達成に向けた準備を進めていることを挙げている。なお今後、各フェーズに移行するには、それぞれの要件を満たすことが必要。エンデミックへの移行計画は保健省が提案し、3月18日のCCSA会議で示した。同計画のポイントは以下のとおり。
- 4月下旬から5月中旬ごろ
- タイ入国時はATKによる検査を実施する(入国初日と入国5日目)。新型コロナワクチン未接種者については、5日間の強制隔離が必要。
- ワクチン3回目の接種割合を人口の50%以上とする。
- 陽性者に対しては、自宅隔離またはホテルでの隔離などを実施して経過観察。重篤患者については、集中治療室(ICU)などで経過観察。
- 5月下旬から6月下旬ごろ
- ワクチン未接種者のみ、タイ入国時の空港で医療関係者によるATK検査を実施。
- ワクチン3回目の接種割合を人口の60%以上とする。
- 陽性者に対しては、自宅隔離などを実施して経過観察。重篤患者については、簡易なICUなどで経過観察。
- 新型コロナウイルスを危険な伝染病の分類から、監視すべき伝染病の分類へ格下げし、併せて改正が必要な法律を整備する。
- 7月1日以降
- タイ入国時のATK、PCR検査ともに撤廃。
- 基礎疾患を持つ者や高齢者などのリスクグループに対し、ワクチン接種を毎年実施。
- 陽性者に対しては自宅隔離などを実施。
(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)
(タイ)
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