米ミシガン州知事、約50億ドルのインフラ投資計画に署名
(米国)
シカゴ発
2022年04月06日
米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は3月28日、「ビルディング・ミシガン・トゥギャザー」という50億ドル規模のインフラ投資計画に署名すると発表した。ウィットマー知事は「ビルディング・ミシガン・トゥギャザー計画は、清潔な水、スムーズな道路、高速インターネット、美しい公園などのミシガン州民の生活に直結する問題に、超党派で合意した大胆な投資」と述べた。この歴史的な投資資金は、約40億ドルは米国救済計画法(2021年3月16日記事参照)による連邦資金、残りは一般財源収入で賄われるという(「デトロイト・ニュース」紙電子版3月30日)。
この約50億ドルのインフラへの投資額の配分で最も大きいのは、水道配水管や水の浄化に関連するもので、約20億ドルに達する。そのうち約10億ドルは飲料水の質改善に使われる。同州の水質は2014年に初めて問題となったフリント市での高濃度の鉛を含んだ飲料水による健康被害があったことがよく知られている(注)。直近では、2018年に同州の南西に位置するミシガン湖沿いのベントン・ハーバーという人口約1万人の小さな町での高濃度の鉛による水道水汚染が発覚し、現在でも住民は州から無料配布されるペットボトル入りの飲料水に頼っている。州の発表によると、2022年2月の時点で400本以上の配水管の交換が終わっているが、今後約3,900本の鉛混入または疑いのある配水管の交換が必要という。今回の水質改善のための投資金額のうち、少なくとも約3億2,500万ドルが同地域の鉛製配水管の交換に使われる。
このほか、約6億5,000万ドルが住宅設備の改善や住宅ローンの補助、約6億4,500万ドルが道路や橋の補修や洪水の際の予備電源確保、約4億5,000万ドルが公園の整備、約2億5,000万ドルは家庭や小規模ビジネスが高速インターネットへアクセスするための支援に使用される。
(注)フリント市民は高濃度の鉛を含む水道水によって起きた健康被害について、州に対して民事訴訟を起こしており、ウィットマー知事は2020年12月に約6億4,000万ドルを支払うとする和解法案に署名している。
(星野香織)
(米国)
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