バイデン米政権、制裁回避の疑いあるロシア銀行・個人や仮想通貨関連企業に制裁

(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年04月21日

米国財務省は4月20日、制裁回避に加担したとされるロシアの商業銀行トランスカピタルバンクと40以上の個人やその他事業体を「特別指定国民(SDN)」に指定した。また、世界3位の規模とされるロシアの仮想通貨(暗号資産)マイニング産業(注1)の企業ビットリバーおよびその子会社10社もSDNに指定した。

財務省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、トランスカピタルバンクは中国を含むアジアおよび中東に拠点を置く銀行に対して国際的な制裁を回避するオプションを提示していたとされる。その中には、国際銀行間通信協会(SWIFT)システムの代替通信手段である同行のTKBビジネスと呼ばれる通信システムを利用した、制裁対象へのドル送金が含まれるとしている。また、2014年にSDN指定をしているロシアの富豪、コンスタンティン・マロフェイエフ氏を再びSDNに指定し、同氏を中心とした制裁回避の国際的ネットワークに関係する事業体および個人もSDNに指定した。

財務省は、仮想通貨マイニング企業のSDN指定については、今回が初としている。どれほど複雑なものだろうと、いかなる資産もプーチン体制が制裁の影響をオフセットするために利用されることがないようにするとしている。ブライアン・ネルソン財務次官(テロリズム・金融インテリジェンス担当)は「財務省はロシアに対する米国の制裁を回避する者、しようとする者、それを助ける者に狙いを定めることができる」と強調している。

国務省がロシアなどの個人に米入国ビザ制限

米国務省は同日、ロシア政府高官を含む個人655人に対して、ロシアの反政府勢力への圧力やウクライナの政情不安への加担、人権侵害、ベラルーシにおける民主主義の不安定化への加担などを理由に、米入国ビザ制限を科すと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、国務省の権限で、ロシアの銀行バンクオトクリティエの取締役16人をSDNに指定している。SDNに指定された対象には、在米資産の凍結および米国人(注2)との資金・物品・サービスの取引禁止という制裁が科される。また、SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。今回指定されたSDNの詳細は財務省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる(注3)。

なお、2022年2月以降に米国が発動した対ロシア・ベラルーシ関連の制裁については、添付資料を参照。

(注1)国税庁ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、マイニングとは、台帳記録管理者がトランザクションの承認のためのブロック連結作業に成功し新たに生成される仮想通貨を取得すること。

(注2)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権がおよぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注3)ウクライナ情勢に関する財務省の制裁の全容は、同省の「ウクライナ/ロシア関連制裁」のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。制裁対象に指定された個人・企業などについては、同省外国資産管理局(OFAC)のデータベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでCountry欄のRussiaを選択し、Searchをクリックすることで確認可能。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

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