カナダ予防接種諮問委、高齢者などへの新型コロナワクチン2回目の追加接種を推奨

(カナダ)

トロント発

2022年04月07日

カナダの国家予防接種諮問委員会(NACI、注)は4月5日、各州や準州に対する新型コロナウイルスワクチン接種のガイドラインを更新PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)し、各州・準州へ80歳以上や長期介護施設居住者を対象とした2回目の追加接種(通算4回目)プログラムを迅速に提供するよう勧告した。さらに、80歳以上で最大の効果が期待されるものの、70~79歳を対象としての2回目の追加接種提供の検討も可能とした。1回目の追加接種(通算3回目)後、重症化に対する防御が時間とともに低下する可能性があることや、重症化の懸念が高い変異種による免疫回避のリスクを考慮して決定された。

カナダでは、オンタリオ州やケベック州で新型コロナウイルス感染の第6波に入ったことが確認されており、2回目の追加接種に対するNACIの勧告が待たれていた。

接種間隔については、前回の追加接種から6カ月後を目指すべきものの、地域での感染状況に応じて6カ月よりも短い間隔での接種もあり得るとし、新型コロナウイルスに感染した場合には感染時期も考慮して追加接種の時期を決める必要があるとした。

NACIは2021年12月時点で、追加接種に関するデータが限定的だったことを理由に、中程度から重度の免疫不全者にのみ2回目の追加接種を推奨していた。それ以来、各州の2回目追加接種に関する対応にはバラツキが生じており、オンタリオ州では長期介護施設、老人ホームなど特定の弱者に対して推奨される一方、ケベック州では80歳以上であれば誰でも接種が可能となっている。また、本勧告が発表された同日、オンタリオ州では60歳以上を対象として2回目の追加接種が可能となるよう準備を進めていることが明らかになった。勧告には強制力がないため、各州は勧告を参照しながら、州の状況に応じて独自のプログラム提供を行っている。

一般層への2回目追加接種の勧告について、NACIは「50歳未満および12~17歳に対する新型コロナウイルスワクチン追加接種に関する既存の勧告も見直しており、今後数週間のうちに最新のアドバイスを含む声明を発表する予定」と述べている。

(注)NACIは、小児科や感染症、社会科学、公衆衛生などの分野の専門家で構成され、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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