3月のインフレ率、前年同月比8.5%に上昇

(ラオス)

ビエンチャン発

2022年04月15日

ラオス計画投資省統計センターが発表した3月の消費者物価指数報告書によると、同月のインフレ率は前年同月比8.5%となり、2011年7月以来初めて8%を超える高水準となった(添付資料図参照)。2022年第1四半期(1~3月)の平均では7.4%だった。

同報告書によると、世界的・地域的な経済の低迷や、新型コロナウイルス流行の拡大、石油価格の上昇、通貨キープの下落、金相場の上昇が今回のインフレの主な原因と分析している。

家計の消費支出分類項目(12分野、注1)別で、物価の上昇率(前年同月比)をみると、「交通・輸送」が18.7%増と大きく上昇している。特に、国際的な燃料価格の高騰により、3月31日時点の首都ビエンチャンのガソリン価格は1リットル当たり1万7,110キープ(約188円、1キープ=約0.011円)、ディーゼル価格は1万5,630キープで、前年同月比でそれぞれ約1.7倍、約1.8倍に上昇した。

「その他の商品・サービス」は13.3%増、中でも、金が25.9%増、その他の貴金属は24.4%増、日用品も15.0%増だった。

「健康・医療」は10.1%増で、うち、病院サービスが13.4%増、医薬品も10.0%増と大きく上昇した。

「食料・飲料」は6.1%増と、上昇率は他項目に比べて低く、主食のコメは1.5%増にとどまった。一方で、輸入に依存している植物油は38.5%増、調味料19.2%増、小麦12.8%増と、大きく上昇したものもあった。

なお、3月31日の市中両替店での対ドル為替レートは1ドル12,971キープと、1年前と比較して27%のキープ安が進んでいる(注2)。

(注1)ラオスのインフレ率は12項目(「食料・飲料」「アルコール・たばこ」「被服および履物」「住居・水道」「家具・家事用品」「健康・医療」「交通・輸送」「郵便・通信」「娯楽」「教育」「レストラン・ホテル」「その他の商品・サービス」)からなる485品目の価格の推移を調査して算出。

(注2)為替レートは中央銀行発表値参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(山田健一郎)

(ラオス)

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