危険化学品に関する企業責任を強化、人口密集地からの移転も推進

(中国)

北京発

2022年03月31日

中国の応急管理部は3月21日、「『第14次5カ年(2021~2025年)規画』期間の危険化学品安全生産規画方案」(応急〔2022〕22号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は3月10日付)。第14次5カ年規画(2021年3月10日記事参照)期間中の危険化学品や石油ガス、花火・爆竹の生産の安全管理、リスク管理、事故防止などに関する方針を定めたもの。

この方案では、2025年までに危険化学品の重大な安全リスクに対する予防体制やメカニズム、法律の整備、安全生産責任システムの厳格化、重大事故の効果的な防止などを進めるとし、第13次5カ年(2015~2020)規画期間比の事故発生件数・死亡者数の削減目標を示した。また、2035年までに従事者10万人当たりの死亡率を先進国のレベルに近付けるとした。

方案は生産時の安全管理について、地方の共産党や行政組織は指導的責任を、関連部門は管理・監督責任を、企業には主体的責任を果たすよう求めるとともに、化学工業園区には安全管理・監督責任の強化を求めている。

企業に対しては、主要責任者(法定代表者、実質的支配者)から現場作業員まで全員が関与する安全生産責任制の整備を求めている。また、重点管理対象の危険化学品や化学工業品の危険作業工程、危険化学品の大量生産・保管などに関わる企業は、安全管理総監と安全管理技術チームを設置するとともに、必要に応じて登録安全エンジニア(注)資格を有する人材の配置を求めている。行政罰と刑事罰の連携を強化し、主要責任者への責任追及も強化する。

また、都市の人口密集地域に所在する危険化学品生産企業の移転を行うとともに、企業内での危険化学品の保管・管理・生産などを行う場所と、事務室、休憩室など人が集まる場所の間で、安全のために必要な距離や配置方向が確保されていなければ是正を求めるとしたほか、化学工業園区内の労働集約型企業や人員が密集する場所についても園区からの移転を促す。

(注)生産安全管理に関する国家資格。

(河野円洋)

(中国)

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