独ボッシュ、モンテレイでの冷蔵庫製造工場建設に向け投資計画を発表
(メキシコ、ドイツ)
メキシコ発
2022年03月15日
ドイツの自動車部品・家電メーカー大手ボッシュのメキシコ法人のボッシュ・メキシコは3月10日、ヌエボレオン州モンテレイ近郊に新たに冷蔵庫製造工場を建設するため、子会社であるキッチン用品・家電メーカーのBSHを通じて52億ペソ(約291億円、1ペソ=約5.6円)を投資するとプレスリリースで発表した。
新設される工場は、ボッシュにとってメキシコにおける初の冷蔵庫製造工場となり、米国、カナダ、メキシコ市場向けの生産を行う。ボッシュは、これまで主に自動車部品製造の分野でメキシコへの投資を行ってきたが、米国を中心とした北米の家電市場を開拓することを目的に新工場の建設に乗り出した。
投資計画では、ボッシュの100%子会社であるBSHが2022年夏に新工場建設に着手し、2024年からの生産開始を目指す。稼働に当たって1,500人の雇用を見込んでおり、43ヘクタールの敷地内で年間60万台の大型冷蔵庫を製造する計画だ。BSHメキシコの技術リーダーのミハエル・ノイマン氏は同プレスリリースにおいて、「新工場は効率性とサステナビリティの観点で高水準の規格を満たすものになる。建設そのもの、使用する資材だけではなく、オペレーションも同様だ」とし、「モンテレイには、新たな標準をクリアするような工場建設に必要な全ての条件がそろっている」とコメントした。
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が5年に1度発表する、全事業所を対象とした経済センサス(最新版は2020年7月発表の2018年時点データ)によると、ヌエボレオン州の白物家電の生産額は全国の23.4%、粗付加価値額は34.8%を占め、韓国サムスンの冷蔵庫工場があるケレタロ州(同28.8%、10.0%)と並んで、メキシコを代表する白物家電生産州といえる。
家電機器の2021年対内直接投資額は前年比7倍に増加
メキシコ経済省外国投資局の対内直接投資統計によれば、2021年12月31日時点での2021年の家電機器製造分野への対内直接投資額は9億5,460万ドルで、前年の1億3,500万ドルから約7.1倍に増加した。そのうち、ヌエボレオン州の家電機器製造への対内直接投資額は7億6,480万ドルで、2021年の家電機器製造への対内直接投資額全体の80.1%を占める。2021年8月には中国家電メーカーのハイセンスも、ヌエボレオン州サリーナス・ビクトリア市に2億6,000万ドルを投じ北米市場向けの冷蔵庫、食器洗浄機、エアコンなどを製造する新工場の建設を明らかにしていた(2021年8月10日付投資誘致機関「インベスト・モンテレイ」プレスリリース)。
(松本杏奈)
(メキシコ、ドイツ)
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