女性が率いるスタートアップ「インサイダー」がユニコーンに

(トルコ)

イスタンブール発

2022年03月14日

トルコのスタートアップ「インサイダー(Insider)」は3月8日、シリーズDラウンドで1億2,100万ドルの調達に成功し、評価額が12億2,000万ドルに達したことで、トルコ国内6番目のユニコーンとなったことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、トルコが出自のスタートアップでは初となるソフトウエア企業のユニコーンが誕生した。

主な投資はカタール投資庁(QIA)によるもので、そのほかに、セコイア・キャピタル、リバーウッド・キャピタル、212、ワムダ・キャピタル、エサス・プライベート・エクイティ、エンデバー・カタリストなどが参加した。

インサイダーは2012年にイスタンブールで設立。現在は本社をシンガポールに置いており、日本にも支店を持つ。人工知能(AI)を活用し、顧客企業のマーケティング支援の各種データやサービスを提供するデジタル企業で、トヨタ自動車やサムスン電子、ボーダフォンなど1,000以上のグローバルブランドを顧客とする。

同社は新たな投資により、AI技術の強化や国際セールス、マーケティングの促進を行い、国際展開を加速させるとしている。また、世界28カ国で現在700人以上の従業員を抱えているが、過去3年で従業員数を3倍に増やしており、今後4年間でさらに2,000人以上の新規雇用を実施する予定だ。

インサイダーは創業者兼最高経営責任者(CEO)のハンデ・チリンギル氏をはじめ、役員の6割が女性で、前述の新規雇用でも女性エンジニアの募集に重点を置くとしている。チリンギル氏は3月8日の「国際女性の日」に正式にユニコーン発表を行ったことについて、「企業やスタートアップは、女性が社会的に置かれている状況を変えていこうと動いている。特にトルコのような男性の立場が強い社会で『女性が作ったユニコーン企業』のニュースを今日流すことは大きな意味がある」と語った。

(友田椋子)

(トルコ)

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