2021年のFTAを利用した輸出額は31.4%増
(タイ)
バンコク発
2022年03月25日
タイ商業省外国貿易局(DFT)は3月8日、2021年のタイからの輸出におけるFTA(自由貿易協定)利用統計を発表した。同統計によると、2021年のFTAを利用したタイからの輸出額は、前年比31.4%増の763億1,300万ドルに上った。FTA利用が可能だった輸出額は976億2,220万ドルだったため、FTA利用率は前年から1.7ポイント増加し、78.2%となった(添付資料表1参照)。
同統計で計上されるFTAは、タイが締結する13のFTAのうち、ASEAN=香港FTA(AHKFTA)とタイ=ニュージーランド経済緊密化連携協定(TNZCEP)を除く11協定(注)。利用額の大きいFTAは、ASEAN自由貿易地域(AFTA、ASEAN物品貿易協定:ATIGA)、ASEAN中国(ACFTA)、日本タイ経済連携協定(JTEPA)、タイ=オーストラリアFTA(TAFTA)、ASEANインドFTA(AIFTA)の順だった(添付資料表2参照)。特に、AIFTAは52.5%増と大きく拡大した。
タイは、国・地域によっては複数の協定を締結している。国・地域別でみた場合に利用額が大きかったのは、ASEAN、中国、オーストラリア、日本、インドの順だった。特に中国向けは利用額の大きさに加えて、FTA利用率が95.7%と高くなっている。2021年においては、タイの輸出が多くの国・地域向けで回復したため、FTAを利用した輸出額も多くの国で2桁増となった(添付資料表3参照)。
(注)TNZCEPの原産地証明は自己証明のみで、商務省が発給当局ではないため、データが収集できない。また、香港は自由貿易港で、輸入関税がかからないため、FTAを利用する必要がない。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ)
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