EV振興策で物品税率の改定と輸入関税の引き下げを閣議決定

(タイ)

バンコク発

2022年03月03日

タイ政府は2月22日の閣議で、物品税率に関する規則の草案の大枠について決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この草案は、現行27種類で規定している自動車物品税率について、電気自動車(EV)振興策の決定に伴って改定するもの(2022年2月22日記事参照)。

主な内容は以下のとおり。

1.以下6種類の車両で基準/条件に適合するものは、官報に掲載した翌日から新たな物品税率を適用。

(1)プラグインハイブリッド(PHEV)乗用ピックアップ車:物品税率は10%、適用期間は2035年12月末日まで

(2)電気自動車(EV)の乗用車タイプ、最大10席:同2%。

(3)小型低公害車エコカー(最大10席):同14%、適用は2023年12月末日まで〔排気量、二酸化炭素(CO2)排出量、安全基準を満たす乗用車などは10~12%、適用は2025年12月末まで〕

(4)PHEV・ダブルキャブピックアップトラック(注):同5%。

(5)EVピックアップトラック:第1段階0%(2025年12月末日まで)、第2段階2%(2026年1月1日~2035年12月末日)。

(6)燃料電池(FC)ピックアップトラック:同0%。

2.その他21種類の車両は、2026~2035年に新税率を適用する。主な車種は以下のとおり。

(1)乗用車(最大3,000cc):同13~38%(第1段階は2026年1月1日~2027年12月末日、第2段階は2028年1月1日~2029年12月末日、第3段階は2030年1月1日以降)。3,000ccを超える乗用車については2026年1月1日から50%

(2)ピックアップトラック(最大2500cc):同18~50%。軽油に国産バイオディーゼルを20%混合したB20バイオディーゼルを使用する車両の場合、16~50%(2026年1月1日~2035年12月末日)

3. 4種類の二輪車に関する物品税率

(1)EV二輪車(一定以上の電圧のリチウムイオン電池を搭載するなど、一定の要件あり):同0~10%(2026年1月1日以降)

(2)化石燃料/ハイブリッド二輪車:同4~25%

(3)研究開発、性能試験のために製造・輸入した試作二輪車:同0%(2026年1月1日以降)

(4)その他二輪車:同25~30%(第1段階は2026年1月1日~2029年12月末日、第2段階は2030年1月1日以降)

加えて、EVの輸入関税引き下げと免除に関する草案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも併せて決定した。同草案は、一般関税での輸入と、自由貿易協定(FTA)を利用しての輸入の両者に適用する。適用期間は2022~2023年まで。

(1)小売価格が200万バーツ(約700万円、1バーツ=約3.5円)を超えないバッテリー電気自動車(BEV)では、FTAを利用した上で関税が40%を超えない場合は免税。同条件で関税が40%を超える場合は、そのうち40%を削減。一般関税80%での輸入の場合は、40%に引き下げ。

(2)小売価格が200万~700万バーツのBEVでは、FTAを利用した上で関税が20%を超えない場合は免税。同条件で関税が20%を超える場合は、そのうち20%を削減。一般関税での輸入の場合、60%に引き下げる。

(注)ダブルキャブとは、4枚のドアと2列のシートを持つ車。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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