インドで日本産リンゴの輸入解禁

(インド)

ニューデリー発

2022年03月24日

インド政府による日本産リンゴ生果実の輸入承認が、3月19日に発表された。岸田文雄首相の訪印に合わせ、同日に発表された日印首脳共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、「両首脳は、インドによる日本産リンゴの輸入承認およびインド産マンゴーの日本への輸出手続きの緩和を歓迎した」とした。今回の解禁により、毎年約2億~4億ドル(注)のリンゴ生果実を輸入するインド市場にアクセスできることになった。

2018年の首相補佐官の訪印を契機に、インド向けにリンゴの試験輸出が開始したことを受けて、インド側と日本の農林水産省との植物検疫条件の協議が加速し、今回、条件の合意に達した。なお、実務的には、インド側検査官による日本の園地・施設の査察終了後に手続きが可能となるため、2022年収穫のリンゴから輸出が可能になる。

主な植物検疫条件は、(1)登録生産園地での栽培、(2)登録選果こん包施設での選果・こん包、(3)消毒処理の実施(低温処理または臭化メチルくん蒸)、(4)原則年1回のインド側検査官による査察、(5)輸出検査の実施の5点。詳細については農林水産省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照のこと。

インドの国内市場においては、低価格、鮮度と流通などの理由から、インド国内産のリンゴが多数を占めるが、都市部のスーパーマーケットなどでは中東や南米、欧州などからの輸入品の流通もみられる。

(注)「Global Trade Atlas」(HIS Markit)のデータに基づく。

(酒井惇史)

(インド)

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