サムスンがスマート工場開発を支援
(ベトナム)
ホーチミン発
2022年03月03日
ベトナム商工省と韓国のサムスン電子の現地法人サムスン・ベトナムは2月22日、スマート工場開発分野の協力について覚書を締結した。2月23日付の商工省オンラインニュースが伝えた。
商工省とサムスン・ベトナムは今後2年間、ベトナムで50社のスマート工場導入を目指して協力する。ベトナム人専門家100人を対象に12週間の研修を実施し、専門家がスマート工場設立に関する知識とスキルを習得することにより、コンサルタントとして、企業の情報技術プラットフォームを用いた生産運転能力の向上に対応できるようにする。
覚書締結の式典で、サムスン・ベトナムのチョイ・ジュホ社長は「このプロジェクトでは、韓国から派遣されるサムスンのスマート工場分野の専門家が、参加するベトナム企業の工場で、ベトナム人専門家を直接指導する。この支援により、ベトナム産業界の能力を新たなレベルへ引き上げる」と述べた。
また、グエン・ホン・ジエン商工相はこのプロジェクトについて、「第4次産業革命の潮流の中、ベトナムの産業を向上するため、体系的、実践的かつ重要な研修プログラム」と式典で述べた。
商工省は「新型コロナウイルス感染の流行により、(ベトナム国内で)次世代のサプライチェーンの構築に向けて、自動化、ロボット工学、デジタル化が加速した」と指摘。一方で、「デジタル化は、新型コロナ禍での生産維持で、生産性の向上、コスト削減、経営リソースの最適化をもたらすため重要だが、(デジタル化推進のための)リソースの不足に加え、生産のデジタル化について正確な情報や理解の不足など多くの課題があった」と現状を分析。今回の研修プログラムは、これらの課題に対応するものだ。
商工省は、サムスン電子機械ベトナム(SEMV、タイグエン省)が2月16日に、9億2,000万ドルの追加投資が認可され、総投資額は22億7,000万ドルとなったことに触れ、「協力覚書の締結は、サムスン・ベトナムのベトナムへの強い関与をあらためて示す」と評価した。
(比良井慎司)
(ベトナム)
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