女性の雇用機会増加に向けた取り組みを発表

(英国)

ロンドン発

2022年03月14日

英国のデボラ・ステッドマン・スコット女性担当相は国際女性デーの3月8日、女性の雇用機会の増加に向けた2つの取り組みを開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

政府はまず、求職申し込みの過程で給与の透明性向上と女性採用を促進したい企業の支援に向けた取り組みとして、雇用主にパイロットスキームへの参画を奨励する。同スキームに参画する雇用主は、求人広告に給与条件の詳細を記載するとともに、採用活動中に求職者に対しこれまでの給与について聞くことをやめる。

男女共同参画と女性の権利に関する活動を行う英慈善団体フォーセット・ソサエティーが2021年11月18日に発表した調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、女性回答者の61%がこれまでの給与に関する質問を受けて、給与の交渉をする自信を失ったと回答。また、女性回答者の58%は、そうした質問を受けた場合、より低い給与を雇用主から提案されたと感じると回答した。政府は、女性がより公平に給与交渉を行うことを同スキームが支援し、男女間の給与格差の解消や賃金不平等の是正に重要な影響を与えるとしている。

政府はさらに、2つ目の取り組みとして、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で女性の仕事復帰を支援するプログラムを開始する予定だとした。同プログラムを通じ、家族などの世話(育児・介護)のために退職していた女性を支援するため、研修や能力開発、雇用支援を提供。これにより、無職の期間があることが原因で見過ごされがちな優秀な人材採用を支援するとしている。

スコット大臣は「最も優秀かつ最良の人材を守り、境遇にかかわらずだれもが成功できる機会を確保することによってのみ、英国は潜在能力の全てを発揮できる」と主張。また「(新型コロナウイルスの)パンデミックから回復し、ともに復興していく中で、女性をレベリングアップアジェンダの最前線に据えることが不可欠」と述べた。

(オステンドルフ・七海・ありさ)

(英国)

ビジネス短信 a29735dfd139f00b