屋外でのマスク着用義務撤廃、入国時のワクチン接種証明書を認める

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年03月25日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は3月22日の国民演説で、新型コロナウイルス対策として2020年3月から続く「国家的災害事態」宣言を維持しつつも、「調整された警戒レベル1」の制限内容を一部緩和した。制限緩和の主な内容は以下のとおり(詳細は官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に掲載)で、3月23日から施行されている。

  • 南ア入国者は、72時間以内の陰性証明書もしくはワクチン接種証明書の提示で入国可能(これまでは陰性証明書のみ)
  • 屋外でのマスク着用は不要。ただし、屋内の公共の場では引き続きマスク着用は義務
  • イベント実施時の会場定員は、入場者がワクチン接種証明書または72時間以内の陰性証明書があることを条件に、50%まで引き上げる。条件を満たない場合は、屋内1,000人、屋外2,000人という現行の上限を適用
  • 学校以外でのソーシャルディスタンスは1メートルに縮小(学校では既に撤廃)
  • 葬儀に参列する人数の上限を200人まで引き上げ(これまでは100人が上限)。ただし、現行の葬儀後の集会などの禁止は継続

南ア政府は3月14日に「国家的災害事態」宣言を4月15日まで1カ月間延長することを決定しており、野党をはじめとする各方面から、経済活動への弊害を懸念して非難の声が上がっていた。大統領は今回の演説で、保健省が実施する保健関連法案へのパブリックコメントが終了次第(4月15日まで)、同宣言を解除する方向であることを示した。

今回の緩和は、集団免疫の獲得のほか、感染者数やワクチン接種率に鑑みて実施した。3月23日時点で1週間平均の新規感染者数は1,268人と減少傾向が続き、成人人口のワクチン接種率は48%に到達した。世代別にみると、60歳以上の高齢者のワクチン接種率が68%を超え、18歳から35歳世代の接種率は35%と伸び悩んでいる。そこで政府は若者世代のワクチン接種を推奨するために、2月から「#KeReady」キャンペーンを開始。ハッシュタグ「#KeReady2Flex」を付けて、自分たちの映像作品などをソーシャルメディアに投稿すると、優秀作品には賞金を授与する予定だ。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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