ゼレンスキー大統領、暗号資産を合法化する法案に署名
(ウクライナ)
ワルシャワ発
2022年03月23日
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は3月16日、暗号資産を合法化する法案に署名した。同法は2月17日、ロシアによる軍事侵攻前に、ウクライナ最高議会で可決されており、ウクライナで暗号資産の合法的な市場を創出するための条件を整備することを目的としている。
これにより、外国やウクライナの暗号資産を合法的に取引できるようになるほか、暗号資産交換業者はウクライナの銀行口座を開設することも可能となり、ウクライナの暗号資産市場の発展が期待される。
法律には主に以下の内容が規定されている。
ア)暗号資産の法的地位、分類、所有権
イ)ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)および国立証券・株式市場委員会を暗号資産市場の規制当局とすること
ウ)暗号資産サービスの提供者リストとその登録条件
エ)暗号資産分野での金融監督措置の実施
現在、デジタル変革省は暗号資産市場の創設に必要な税法と民法の改正に向けた準備を進めており、本法律は次の税法改正が施行される日から適用される。
ロシアによる軍事侵攻を受け、ウクライナ政府は2月末からビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった暗号資産による寄付を受け入れており、3月14日に暗号資産取引所FTXと提携し、公式寄付サイト「Aid For Ukraine」を立ち上げた。目標額は2億ドルで、3月17日時点で約5,600万ドルの寄付が集まっている。
ミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル変革相は、SNS「テレグラム」の投稿で「戦争の開始とともに、暗号資産はウクライナ軍支援のための強力なツールになった」と述べた。
(マルタ・ゴロンカ)
(ウクライナ)
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