電子インボイスの導入など税務の電子化進む、財務相は成果強調

(エジプト)

カイロ発

2022年03月14日

エジプトでは、電子インボイス(添付資料参照)の導入など、各種税務手続きの電子化が進んでいる。ムハンマド・マーイト財務相は3月3日の省内会合で、税務の電子化が着々と進んでおり、それによって政府歳入が増加していると、その成果を強調した。

電子インボイスは、税務査定や徴税、納付の一本化、税務手続きの電子化に関する法的基盤を確立するものとして施行した統一税務手続き法(注)に沿って、2021年に導入した。物品販売やサービス提供を行う企業は、自社の会計システム(ERP)を政府の納税システムと統合し、適正な税額を記載した電子インボイスを発行する。まず大企業134社からその利用を義務付け、徐々に中小企業への導入が進み、利用登録企業は5万2,000社(実際に利用開始した企業は4万3,000社)まで増加したという。

また、エジプトでは、個人が所得税をはじめとする各種税金を支払うための納税カード(Meeza card)が2021年に400万枚発行されている。経済格差が大きいエジプトで、全ての企業や個人に電子システムを通じた納税を求めるのは現実的ではないが、歳入を増やすため、付加価値税(VAT)や法人税、個人所得税、関税といった税務手続きが次々と電子化されている。マーイト財務相は、デジタル化によって脱税や申告漏れが減り、電子化を開始した2020年度(2020年7月~2021年6月)の納税額は13%増加したと、その成果を強調している。

(注)詳細はジェトロ調査レポート「エジプトにおける統一税務手続き新法について(2021年3月)」参照。

(福山豊和)

(エジプト)

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