米国務副長官補佐らがアフリカ政策に言及
(アフリカ、米国、ナイジェリア、ケニア、南アフリカ共和国、ナミビア)
中東アフリカ課
2022年03月04日
アフリカ歴訪の米国のアクナ・クック国務副長官補佐と「プロスパー・アフリカ」(注)イニシアチブのレスリー・マーベリー最高執行責任者(COO)、ブリントン・ボーリング・アフリカ地域代表が2月22日、南アフリカ共和国でラジオ形式で記者などの質問に応じた(官報)。2月14日から3月1日にかけてナイジェリアとケニア、南ア、ナミビアを訪問していた。
クック氏は米国のアフリカへの取り組みについて、最も象徴的なものはアフリカ成長機会法(AGOA)だとし、20年以上継続して米国へ輸出するアフリカ企業に貿易優遇措置を与えてきたと強調。アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)についても、アフリカの地域統合が進めば、米国の投資家にとっても魅力的になると積極的に推進を支援していく考えを示した。
バイデン政権のアフリカ政策について、マーベリー氏は、アフリカの優先事項を尊重しつつ、米国が競争上優位に立てる分野、例えばデジタルや医療、気候変動などに重点的に取り組んでいくことを目指すと説明。クック氏は今回の訪問先について、ナイジェリアと南アではクリエーティブ産業、デジタル技術、気候変動、ヘルスケアなどの分野に注目していると述べた。ケニアでは特にデジタル分野を重要視しており、スタートアップ企業や投資家とも議論したと語った。また、ナミビアでは気候変動技術に焦点を当てるとした。
このほか、アフリカにおける中国との競争に関する記者の問いに対し、ボーリング氏は「米国の投資家に紹介する投資機会の多くはスタートアップに関するもので、米国の技術や投資はテクノロジーの向上をもたらし、アフリカの経済成長につながっている。米国は中国と異なるツールや機会をアフリカにもたらす」として、米中でのアフリカ戦略の違いを強調した。
(注)プロスパー・アフリカとは、米国とアフリカ間の貿易・投資を促進すべく、17の米政府機関の70の支援ツールを束ね、ワンストップで支援する枠組み。2019年に当時のトランプ政権が立ち上げ。ホームページ上では目的別に支援ツールを整理。発足以来、45カ国800件の取引を支援、その貿易と投資額は500億ドルと推定している。
(小林淳平)
(アフリカ、米国、ナイジェリア、ケニア、南アフリカ共和国、ナミビア)
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