ドイツの企業景況感など、ロシアのウクライナ侵攻により軒並み悪化

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

ベルリン発

2022年03月31日

ロシアによるウクライナ軍事侵攻を受け、ドイツの企業景況感や輸出見通し、消費者信頼感が急激に冷え込む調査結果が相次いでいる。

ifo経済研究所は3月25日、3月の企業景況感指数(2015年=100)を90.8と発表した。前月の98.5から7.7ポイント減と急落し、2020年7月(89.7)以来の低水準となった。今後6カ月の見通しを示す期待指数は85.1で前月から13.3ポイント下落し、新型コロナウイルス危機が始まった2020年3月の11.8ポイント減を超える下げ幅を記録した。特に製造業部門の期待指数はマイナス29.5、前月比で40.5ポイント減と過去最大の落ち込みとなった。3月のDI値(注1)は4部門全てで急落、製造業部門が前月の23.1からマイナス3.3、建設部門が前月の8.0からマイナス12.2、サービス部門が前月の13.6から0.7、流通部門が前月の6.6からマイナス12.0へと、いずれも大きく下落した。

また、ifo経済研究所は28日、3月の輸出期待指数をマイナス2.3と発表。前月の17.0から19.3ポイント減と大幅に悪化した。新型コロナ感染発生直後の2020年4月の31.2ポイント減に次ぐ下げ幅となった。製造業部門の全ての分野で下落、特に自動車関連、ゴム・プラスチック、印刷分野の企業の見通しは厳しく、全体で輸出の伸びは著しく鈍化すると予測している。

ドイツの市場調査会社ジーエフケー(GfK)は29日、4月の消費者信頼感調査(注2)をマイナス15.5と発表。前月のマイナス8.5からさらに低下した。GfK消費者動向専門家のロルフ・ビュルクル氏は消費者マインドが落ち込んだ要因として、ロシアによるウクライナ軍事侵攻がもたらした不確実性の高まりと、対ロシア制裁によるエネルギー価格の高騰を指摘。3月の所得見通しはマイナス22.1と前月から26ポイント下落し、金融危機時の2009年1月(マイナス22.9)以来の低水準としている。ガス代や暖房費、ガソリン価格の急激な値上がりが消費者の購買力を低下させるとみており、ビュルクル氏は「消費者心理の回復には、即時停戦と和平交渉が必要。国内経済の不透明感が低下すれば、再び経済全体の発展に寄与し、新型コロナウイルスに関する制限措置の緩和が効果を表す」との見通しを示した。

(注1)Diffusion Indexの略。ビジネスの状況を「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた値。

(注2)約2,000人の消費者を対象に実施したアンケート調査を基に分析。調査期間は3月3~14日。

(中村容子)

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

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