アウディ初の中国EV専用工場建設でEVシフトを強化

(中国)

大連発

2022年03月02日

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループ傘下のアウディと中国第一汽車集団の合弁メーカー、奥迪一汽新能源汽車は2月18日、新工場建設の計画始動を発表した。投資総額は約358億元(約6,444億円、1元=約18円)。2022年4月に建設を開始し、2024年12月までに竣工(しゅんこう)、生産を開始する計画だ。

吉林省の長春市汽車経済技術開発区に建設予定の新工場は、アウディにとって中国で初の電気自動車(EV)専用工場となる。敷地面積は246万平方メートル、総生産能力は年間15万台となる見込み。新技術の「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」(注)をベースに、第1弾として3車種のEVを生産する予定。

アウディの中国における自動車販売台数は2021年に70万台を超え、なかでもEV車種「e-tron」は前年比68.7%増と好調だった。アウディは2022年末までに中国で販売するEV、プラグインハイブリッド車(PHV)などを含む電動化車種を計9車種に増やす計画だ。アウディは2033年までに内燃機関を搭載した車の製造を原則終了する意向を示している(2021年7月5日記事参照)。

2021年の中国の新エネルギー車の販売台数は前年比2.6倍の352万台(2022年1月14日記事参照)。工業情報化部によると、7年連続で世界1位になった。中国自動車工業協会(CAAM)などは、2022年中国の新エネルギー車の販売台数が500万台を突破する見込みと予測している。

(注)PPEは、アウディとポルシェが共同開発した、幅広いモデルに対応できるよう設計されたEV用モジュラー車台。

(呉暁東)

(中国)

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