米USTR、インド太平洋経済枠組みに関するパブコメ募集を開始

(米国)

ニューヨーク発

2022年03月10日

米国通商代表部(USTR)は3月10日、インド太平洋経済枠組み(IPEF)に関するパブリックコメントを募集すると官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。

IPFEは、ジョー・バイデン大統領が2021年10月末に参加した東アジアサミットで初めて言及した構想で、インド太平洋地域における多国間の通商枠組みとされる。詳しい内容については明らかになっていなかったが、USTRが3月1日に発表した「2022年の通商政策課題」の中で、(1)公平で強靭(きょうじん)性のある貿易、(2)サプライチェーンの強靭性、(3)インフラ・脱炭素化・クリーンエネルギー、(4)税・反腐敗、の4つの分野で構成されることが発表された(2022年3月2日記事参照)。このうち(1)はUSTRが、その他3分野は商務省が主導することになっており、今回の官報ではUSTR担当の(1)に関して、米国としての交渉目的や立ち位置、潜在的なパートナー国を特定するためのコメントを求めるとしている。

USTRによると、「公平で強靭性のある貿易」はさらに、次の7分野に分かれるとしている。(i)労働、(ii)環境と気候、(iii)デジタル経済、(iv)農業、(v)透明性と良き規制慣行、(vi)競争政策、(vii)貿易円滑化。これら分野で高い基準を目指し、労働者中心の政策目的を推進すべく、通商政策における新たなアプローチを形成するとしている。また、この時点では、関税障壁は扱わないとしている。

USTRは次の10項目を中心に、コメントを求めるとしている。

  1. 全体的な交渉目的
  2. 労働関連事項
  3. 環境・気候関連事項
  4. デジタル経済関連事項
  5. 農業関連事項
  6. 透明性と良き規制慣行に関する問題
  7. 競争政策関連事項
  8. 税関と貿易円滑化関連の問題
  9. 交渉において中小企業関連で取り扱われるべき問題
  10. 第三国事業者によるものも含めて、米国の労働者、農畜業者、企業にとって公正な市場機会を損ねる措置や慣行

(注)コメントは連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、ドケット番号USTR-2022-0002で、4月11日まで受け付けられる。

(磯部真一)

(米国)

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