砂糖と穀物の時限的禁輸措置を導入、ミシュスチン首相が署名

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年03月16日

ロシアで、小麦と砂糖の輸出が時限的に禁止される。ミハイル・ミシュスチン首相は3月14日、白砂糖と粗糖の輸出(2022年3月14日付連邦政府決定第361号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、また、ユーラシア経済連合(EEU)加盟国への小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシといった穀物の輸出(2022年3月14日付連邦政府決定第362号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を禁止する法律に署名した。政府は措置導入の背景を「食糧安全保障の確保のため」と説明している。

白砂糖と粗糖の輸出制限は2022年8月31日まで、穀物は同年6月30日まで課す。なお、国際人道支援を目的とした輸出などの場合には例外的に適用しない。また、産業商務省が発行するライセンスの下で行われる割当枠内でのEEU域外への穀物輸出は引き続き許可し、EEU諸国への砂糖の輸出は農業省による許可があれば可能となる。

今回の措置について、関係者からさまざまな声が上がっている。ロシア農業大手で砂糖も生産・輸出するルスアグロは、砂糖の禁輸措置を一時的なものとしては正当と評価する一方、長期的には外貨収入を失い、競争力低下にもつながる懸念をあらわにした(「コメルサント」紙3月11日)。ロシアの穀物市場調査会社ソブエコンのアンドレイ・シゾフ氏は「本措置はまずカザフスタンへの輸出に影響を及ぼす。同国は穀物の収穫に問題を抱え、また、ルーブルの下落によりシベリア地域からの穀物の購入量を増やしていたためだ」と語った(「コメルサント」紙3月11日)。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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