オーストラリア、UAEとの包括的経済連携協定を追求

(オーストラリア、アラブ首長国連邦)

シドニー発

2022年03月22日

オーストラリア連邦政府のダン・テハン貿易・観光・投資相は3月17日、アラブ首長国連邦(UAE)との包括的経済連携協定(CEPA)を追求すると発表した。両国は近い将来の正式な交渉開始を視野に入れ、予備的な協議や国内での議論をできる限り早期に実施することで合意したという。実現すれば、オーストラリアにとって初めての中東地域での2国間貿易協定となる。

オーストラリアはこれまで、湾岸協力会議(GCC)との間で自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を行ってきた。2007年の第1回会合では、物品貿易やサービス(人の移動、教育、電気通信、金融を含む)、投資、知的財産、政府調達などの分野について交渉することで合意。その後、2009年の第4回会合を最後に、交渉は中断していた。

テハン貿易・観光・投資相は「建築・建設、金融サービス、農業用品、研修サービスなど、300社以上のオーストラリア企業がUAEでビジネスを行っているが、CEPAによってより多くのビジネス機会が創出されるだろう」と期待感を示した。また「CEPAは、GCCとの自由貿易協定で重要な構成要素になり得る」と述べた。

オーストラリアにとってUAEは、中東地域で最大の貿易・投資相手国だ。2020年の双方向の貿易額は68億オーストラリア・ドル(約6,052億円、豪ドル、1豪ドル=約89円)、双方向の投資額は160億豪ドルだという。オーストラリアの主な輸出品は、酸化アルミニウム、牛肉や羊肉、自動車部品・付属品、通信機器・部品などがある。

(住裕美)

(オーストラリア、アラブ首長国連邦)

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