現大統領の長男が大統領に当選

(トルクメニスタン)

欧州ロシアCIS課

2022年03月16日

トルクメニスタンで3月12日に大統領選挙が実施され、グルバングル・ベルディムハメドフ大統領の長男で、与党・民主党(TDP)の指名を受けたセルダル・ベルディムハメドフ副首相が当選した。

中央選挙管理委員会の3月15日の発表によると、投票率は97.17%で、候補者9人のうち同副首相の得票率は72.97%だった。他の8人は教育者や医師、研究所所長のポストにある人で、事実上、ベルディムハメドフ副首相の対立候補ではなかった。今回の大統領選挙は、一般には世襲による権力移譲と受け止められている。

ベルディムハメドフ副首相は1981年9月22日生まれの40歳。2001年にトルクメン農業大学を卒業し、2008年に在ロシアのトルクメニスタン大使館に勤務した。2011年にロシア外務省の外交アカデミーを卒業し、その後も外務関係のキャリアを積み、2018年3月には外務副大臣になった。2020年2月に産業・建設生産相、2021年2月には経済・金融担当副首相に任命された。トルクメニスタン憲法第51条には、大統領の要件として40歳以上との年齢規定があるが、同氏は昨年9月に40歳となりこの要件を満たした。

トルクメニスタンは中央アジア南西部に位置する人口600万人の国で、首都はアシガバード。旧ソ連の構成国であり、天然ガスの埋蔵量では世界第4位。天然ガスの輸出と綿花生産が主要産業だ。旧ソ連構成国ではあるが、国連総会で1995年に永世中立国として承認されている。

今回の大統領選挙は、2007年から大統領職にあるベルディムハメドフ大統領が2月11日の上院会議で「若い指導者に行政への道を開く必要がある」と発言し、任期を2年残して辞意を表明したため、急きょ実施されることとなった。大統領の任期は7年。新大統領の就任は3月19日に予定されている。

(今津恵保)

(トルクメニスタン)

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