フランス企業のロシア事業、対ロ制裁で一時停止広がる

(フランス、ロシア、ウクライナ、EU)

パリ発

2022年03月10日

EUによる対ロシア経済制裁の発動に伴い、フランスでは大企業を中心にロシア事業を一時停止する動きが広がっている。鉄道車両メーカーのアルストムは3月9日、EUによる対ロシア制裁措置に基づき、ロシア向けの納品を一時停止するとともに、新規投資を行わない方針を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同社はまた、ロシア同業TMHに20%出資しているが、TMHとはモノの取引および業務上のつながりがないことを強調した。

化粧品ロレアルは3月8日、フランスや欧州当局の決定に合わせ、ロシア国内の直営店を一時的に閉鎖し、事業やメディアに関連する投資をすべて停止すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同社ブランドのEコマース専用サイトも当分の間閉鎖し、ロシア国内で雇用する2,200人の従業員をケアしながら「さらなる措置を検討する」とした。

食品ダノンは3月5日、ロシア国内での生鮮乳製品の製造・販売は当面継続しつつ、投資事業は停止すると発表した(同社ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今後も「フランス政府と密に連絡をとりながら、当局の決定をすべて適用していく」とした。高級ブランドでは、ケリング(グッチ、サン・ローランなど)が3月4日、「懸念が広がる欧州の現況に鑑み」ロシア国内の全店舗を一時閉鎖すると発表した。

エネルギー部門のロシア事業については、ブリュノ・ル・メール経済・財務・復興相が3月1日、当地メディアのフランスアンフォとのインタビューで「原則として、ロシアの権力に近い政治家、経済人と仕事をするのは問題がある」と述べ、エネルギー大手のトタルエナジーズとエンジーの経営者と「話をする」と発言していた。

これに対し、トタルエナジーズは同日、ロシアでの新規プロジェクトに資本投資を行わないと発表したが(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、同社が参画するヤマルLNG(液化天然ガス)プロジェクト(出資率20%)や北極圏LNG開発プロジェクト「アーク2」(出資率10%)からの撤退については言及しなかった。

他方、エンジーは3月2日、ロシアでは製造や投資に関わるプロジェクトを実施していないとする一方、ガスの調達ではロシア国営石油大手ガスプロムが全体の20%を占めるとし、長期契約を結んでいるノルウェー、オランダ、アルジェリア、米国からの調達量を増やすことでガスの安定供給を図る方針を示した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同社はまた、天然ガスパイプライン「ノード・ストリーム2」に投資しており、後者が破産申請を行った場合は9憶8,700万ユーロの信用リスクにさらされることを明らかにした。

(山崎あき)

(フランス、ロシア、ウクライナ、EU)

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