ジェトロのアニメ商談会に23カ国36社の海外バイヤーが参加

(世界)

デジタルマーケティング課

2022年03月28日

ジェトロは3月22~25日に、アニメイベント「AnimeJapan 2022」と連携し、「AnimeJapan2022×JETRO アニメコンテンツ・オンライン商談会」を開催した。日本動画協会の「アニメ産業レポート2021」によれば、2020年の海外アニメ市場は「新型コロナ禍」にあっても、前年より3.2%増加して、1兆2,394億円となり、初めて国内市場を上回った。こうした海外市場の拡大を背景に、過去最多となる23カ国36社の海外バイヤーが参加、日本から参加した50社のアニメ事業者と商談を行った。会期中に300件以上の商談が実施された。

オンラインで開催したことによって、中東やアフリカ、中南米など、通常、日本企業が接点を持ちにくく、今後の市場拡大が見込まれる地域のバイヤーの参加が容易になったため、日本企業にとっては多様な海外バイヤーと商談できる場となった。今回初めて商談するバイヤーとの面談に関し、ある日本企業からは「今回の商談を機に今まで未開拓だった市場に進出していきたい」といった声が寄せられた。今回多くのバイヤーと面談したレコメンデーションの谷口広樹氏は「オンラインのみではなかなか難しいが、それでも実際に会うまでの最初の機会として極めて貴重だった」と話す。また、谷口氏は「PR素材はそろえており、オンラインではそれらをうまく見せられたという良さもあった。今後も継続的にフォローしていきたい」と意気込みを語った。一方、海外バイヤーからは、2023年はAnimeJapanを実際に訪問したいとの声も多く聞かれた。

また、今回参加した海外バイヤーには、オンライン配信プラットフォームを立ち上げる予定、あるいは立ち上げたところというバイヤーもいくつかあった。ネットフリックスやアマゾン・プライムだけでなく、世界では映像配信でのオンライン配信事業者(OTT)の存在感が急速に高まっている。

今回の商談会から、海外バイヤー専用のオンラインカタログサイト「JAPAN STREET」(注)と連携している。カタログには、アニメ商談会に参加する企業の作品情報を掲載しており、今後、ジェトロはこのカタログを基に海外バイヤーのネットワークをさらに拡大していく。アニメ分野以外にも、映画、ドラマ、音楽、ゲームなど、そのほかの分野にもカタログを広げ、通年で商談をアレンジしていく予定だ。

(注)「JAPAN STREET」は、ジェトロが招待した海外の有力バイヤー専用のオンラインカタログサイト。事業者は企業・商品情報と商品画像などを提出するだけで、ジェトロが常時バイヤーに商品を案内する。バイヤーは、カテゴリーやキーワードを基に手軽に商品を検索することができ、ジェトロはおすすめ機能を基にバイヤーへ商品を紹介する。バイヤーが関心を示すと、事業者にはジェトロ経由で見積もりや商談(オンラインを含む)の依頼が届く。

(阿部有華)

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