対ロシア制裁、ベトナムの農水産品輸出に影響

(ベトナム、ロシア)

ホーチミン発

2022年03月08日

ロシアの主要銀行が国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除されることにより、ベトナムで農水産業の輸出入に影響が出る恐れがある。3月4日付の税関オンラインニュースなどが伝えた。

税関総局によると、2021年にベトナムはロシアから38万6,193トン(前年比7.9%増)の肥料を輸入しており、国内需要の10%に相当する。2022年1月には肥料の輸入量は32万2,731トン(1億5,360万ドル相当)で、うちロシアからの輸入は5万3,773トン(2,960万ドル相当)だった。

ベトナムの化学品製造企業ドゥックザン化学によると、ロシアはベトナム向けにNPK(窒素、リン酸、カリウム)肥料を多く輸出しており、ロシアとウクライナの紛争により、ロシアからの肥料供給が滞れば、肥料価格が上昇することが懸念される。また、ロシアがSWIFTから排除されることは、ロシア向けの支払いは仮想通貨を除いて困難になるとの見方を示した。

ベトナム・パンガシウス(ナマズ)協会によると、ロシア向けの水産物の輸出はベトナムの総輸出額の2%未満だ。ロシア向け輸出は米国や中国向けと比べて多くはないが、ロシアの主要銀行がSWIFTから排除されると、ロシア向けにナマズを輸出している業者が支払いを受けることができなくなる。

また、税関総局の統計では、ベトナムのカシューナッツの輸出先104カ国のうちロシアへの輸出額は第11位、1.63%(6,180万ドル)にすぎない。しかし、ベトナム・カシューナッツ協会は、ロシアの主要銀行がSWIFTから排除されることは、ロシアの支払いが困難になるだけでなく、全体的な輸出収支に影響するとの見方を示した。

チン首相は3月3日の政府の月例会合で、ファム・ビン・ミン副首相を座長とするウクライナ関連の問題に対応するワーキンググループを設置するよう指示した(政府公報3月3日)。

(比良井慎司)

(ベトナム、ロシア)

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