マクロン大統領、プーチン大統領とゼレンスキー大統領と電話会談

(フランス、ロシア、ウクライナ)

パリ発

2022年03月02日

フランス大統領府は2月28日、エマニュエル・マクロン大統領が同日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領と、電話会談を相次いで行ったと発表した(フランス大統領府のプーチン大統領との電話会談に関する発表文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますゼレンスキー大統領との電話会談に関する発表文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

プーチン大統領との電話会談は、ゼレンスキー大統領の要請と人道的状況への配慮から行ったもので、マクロン大統領はプーチン大統領にロシアのウクライナに対する軍事行動の停止を求める国際社会の要請をあらためて表明し、即時停戦の必要性を再度主張した。さらに、民間人や住宅地に対する空爆や攻撃の停止、民生インフラの保全、主要幹線道路、特に首都キエフの南側の道路の安全性確保を尊重するよう求めた。プーチン大統領はこの3つの点についてコミットする意思を示した。

マクロン大統領はさらに、フランスが国連安保理に提案した決議案に基づき、国際人道法の尊重と民間人の保護、援助物資の輸送を求めるとともに、状況の悪化を防ぐため、今後数日間連絡を取り合うことを提案し、プーチン大統領から同意を得た。マクロン大統領は同日、ゼレンスキー大統領と数回にわたり会談し、情報を提供した。

マクロン大統領が停戦に向けた仲介役として働きかけを行う一方で、フランスはEUが決定した対ロシア金融・経済制裁の実施に向けた対応を進める。ブリュノ・ル・メール経済・財務・復興相は2月28日、大統領府で行われた国防会議後の記者会見で、ロシア中央銀行の全資産を凍結したと述べるとともに、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)に対する制裁措置について、欧州の制裁下にあるロシア人が所有する金融資産、不動産、ヨット、高級車など資産の完全な目録を作成しつつ、これら資産の全てを差し押さえる法的手段を整えると発言した。

同相はまた、ウクライナ危機がフランス企業の貿易や部品・重要金属の調達に与える影響を特定するため、関係業界と協議する方針を示した。経済・財務・復興省は2月28日、フランス企業向けに対ロシア金融・経済制裁措置の情報やエネルギー価格、素材調達、サイバーセキュリティーなどに関わる相談窓口の連絡先を掲載したサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設した。

(山崎あき)

(フランス、ロシア、ウクライナ)

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