丸紅、米ガビロン穀物事業を加バイテラに売却

(日本、カナダ、米国)

米州課

2022年02月01日

丸紅は1月26日、傘下の米国穀物大手ガビロン(本社:ネブラスカ州)の穀物事業をカナダの穀物大手バイテラ(本社:サスカチュワン州)に売却することを発表した。丸紅は、ガビロンの事業を再編し、一部の事業を丸紅へ移管した上で、2022年度中の譲渡完了を予定している。

バイテラの発表によると、買収額は11億2,500万ドルに運転資本を加えた金額。丸紅は、ガビロンへの融資の回収も含め、計3,000億~4,000億円程度の資金回収を見込み、2022年度の連結決算に譲渡益を計上するという。丸紅は2013年に、ガビロンを約27億ドルで買収した。しかし、米中貿易摩擦による穀物輸出の減少などで業績が低迷し、丸紅の発表によると、2020年3月期にはガビロンの穀物事業で783億円の減損損失が発生した。丸紅は、穀物事業における戦略見直しの中で、ガビロンの穀物事業の保有方針を検討してきたが、今回妥当な条件で譲渡する機会が得られたことから売却を決めたという。

丸紅が同日に開いた会見で、食料・農業・化学品事業を統括する寺川彰副社長執行役員は「当初の目標は取引量を拡大し、世界の穀物メジャーになることだったが、取引量が増えると市場リスクが高くなり、戦略はうまくいかなかった」「買収額が高すぎたこともあり、苦戦を強いられた」と述べた(ロイター1月26日)。また、古谷孝之最高財務責任者(CFO)は、売却により百億円単位の売却益が生じることについて、「財務基盤が大幅に改善する」とし、成長投資や株主還元に充てる資金の自由度が高まる、と説明した(ブルームバーグ1月26日)。

バイテラのデビッド・マティスケ最高経営責任者(CEO)は同社の発表の中で、「ガビロンの加入は、主要な生産・輸出地域の1つである米国における当社のプレゼンスを高め、グローバルネットワークをさらに強化するという当社の長期戦略を支援するものだ」とし、「ガビロンの従業員をバイテラチームに迎え入れ、ガビロンが生産者や消費者と築いてきたビジネスと商業関係をさらに強化することを楽しみにしている」と述べた。

(大塚真子)

(日本、カナダ、米国)

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